四神想界語 第5話

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名前 朱雀(スザク)零神(レイジン) 性別 男 (声役 男) 身長 178 体重 84 神聖 不明 刺青 背中に朱雀 武器 右翼紅光炎・左翼翼折り狂焔 概要 想界大和区域の管理者で、朱雀の力を持つ守護者。口の悪い関西弁を使う男で、朱雀神社と言う神社の神主をしており、普段はタバコ吸ってぐうたらしてる。母親が、先代の朱雀で、歴代最強の四神と言われており、最強の四神の息子と言う重みを感じ、常に母親と比べられながらも、頑張っている。武器は二刀流を使っており、片方の刀は刃先から20センチ程、おられている。 ーーーーーー 名前 玄武神嶽 性別 男 (声役 女) 身長 158 身長 46 刺青 右半身に玄武 神聖 SSB 武器 大剣・地天剛蓮 好きな物 甘い物、朱雀、麒麟、友達 嫌いな物 悪、悪い人 概要 想界浄土管理者、善行を詰んだ魂や、聖なる生き物の住まう場所の管理者、先代の父の影響を受けてヒーローに憧れており、一人っ子だったため、朱雀と麒麟を兄として扱っており、二人といる時はかなり甘える時がある。武器は、自分の身体の倍以上ある大剣を使い、地面に手を突っ込み、地中で作り出す。小さい身体に似合わない怪力を持っている。 ーーーーーー 名前 麒麟仁定(キリン)(ヒトサダ) 性別 男 (声役 男) 身長 174 体重 65 武器 角槍暴れ一門 神聖 A その他 朱雀の小さい頃からの幼なじみであり、親友である。本人はとても心優しい性格をしており、生物皆に敬意を払い、蟻ですらも、間違って踏まぬように、常に雲に乗ってのらりくらりと移動してる。非常に運が良く、朱雀から、「歩く幸運厄祓いのパワースポット」と言われている。心優しい性格を持つ一方、戦わなければならない場面ではかなり積極的になる。仁の文字が刻まれた槍を使い、敵をなぎ倒す。人里で何でも屋を営みながら生活している。 ーーーーーー 名前 ルシファー 性別 男 (声役 男) 身長 183 体重 70 武器 不明 神聖 SS 概要 ギガス写本に封印されていた悪魔。想界に現れた目的は不明だが、天草四郎と契約し、力を与えた。天草四郎とは別の目的があるように見える。 名前 天草四郎(アマクサ)(シロウ) 性別 男 (声役 男) 身長 168 体重 60 神聖 AA→SSC 概要 厩戸神子と、人里の宗教争いを起こした者。落ち着いたように見える反面、自己肯定感が低く、生前の島原の乱で、他宗派を嫌悪している。無力感や、自分のやっている事が正しく無いと言う負い目に苛まれ、そこをルシファーに付け込まれ、堕落してしまい、ルシファーと本契約を結ぶ。 名前 厩戸(ウマヤドノ)神子(ミコ) 性別 女 (声役 女性) 身長 165 体重 45 神聖 S 概要 飛鳥時代に、聖徳太子と言われた人物。人間界で、偉人がよく女体化される影響を受けて、死後、想界で下界したら女になっていた。晩年は髭面天才おじさんだっため、モテる事はなく、下界したら美女になっていたため、ナルシストになってしまった。様々な偉業を成し遂げ、日本では知らぬ人がいない程有名のため、神聖は神に近いSランク。 神子「神主、2人の容態は?」 朱雀「人里の医療所に送った、今は2人ともゆっくり治療受けてんやろ。」 神子「そうか、ありがとう。」 朱雀「……ホンマにやるんけ?」 神子「どうして止める?続けた方が君にとっては有益じゃないのかい?」 朱雀「まぁそやけど……何やろ、何か嫌な予感がすんねんな。」 神子「それは私が負けるという心配かい?」 朱雀「いや、もっと別の……」 神子「大丈夫さ、最悪な事は起こらないよ。」 朱雀「なら良えけどな?」 N(教会にて) 麒麟「よっ!久しぶりですね、四郎さん。」 天草「君か、仁定(ひとさだ)……どうしたんだ?零神と一緒じゃ無かったのかい?」 麒麟「インターバルで少し休んでるよ、それに……何やら嫌な事を企んでる人がいるらしいしな?」 天草「さて、何のことやら……」 麒麟「ならその本コッチに渡して下さい。」 天草「コレかい?コレは普通の聖書だよ、君が持ってても仕方ない物だろ?」 麒麟「そっすねぇ、俺が持ってても意味無い物なのは確かですわ。だけど……悪魔の聖書は別だ。」 天草「……仕方ない、ほら。」 N(天草は聖書を麒麟に向けてほおり投げる。) 麒麟「サンキュ、意外と物分りが良いんすね?」 天草「残念、そうでも無いですよ。」 麒麟「は?」 N(天草は指を鳴らすと、麒麟の受け取った本が爆発した。) 麒麟「ッ!?……前言撤回だ。アンタ性格悪過ぎ、奥さんに嫌われるぞ?」 天草「これでもだいぶ好かれてる方なんですけどね?……それに、私は君の相手をする必要はありません。」 麒麟「おい!どう言う事だ!?」 天草「何故なら私はもう代償を払っている。」 麒麟「何を言っている?」 天草「消えなさい。」 N(天草が取り出した本物の本は、勝手にページをめくりだし、開かれたページに描かれていた悪魔は、禍々(まがま)しい光を放って姿を現した。) ルシファー「やっほー、早い召喚だね契約者?まだ完全に契約が成立した訳では無いから、今の俺は強いよ?」 麒麟「どう言う意味だ……言ってる事が支離滅裂だぞ。」 ルシファー「別にそれでも良いよ、君が知る必要は何一つ無いからさ。」 麒麟「そうかよ、まぁ、俺の幼なじみ(親友)はお前が祭りに来る事を嫌がってるらしい、想界(そうかい)から退出願おうか?」 N(麒麟が天に腕を伸ばすと、一本の槍が天井を突き破り、彼の手に収まった。) ルシファー「へぇ、カッコイイじゃん……君って結構謎が多いよね?でも、それはそれで似た匂いがするな?」 天草「一応ここは私が所有する教会だ、争うなら別の場所にしろ。」 ルシファー「オーライ、悪いけど坊や。少し付き合えよ。」 N(ルシファーは、漆黒に染まった六対十二枚(ろくついじゅうにまい)の羽を大きく広げる。すると、ルシファーと麒麟を囲むように大きな結界が広げられる。) 麒麟「どこに連れてく気だ?」 ルシファー「招待してあげよう、全ての善悪が詰まった果実が実る場所……裁天(さいてん)のユートピア……失楽園!」 N(結界は一気に縮小し、ルシファーと麒麟は忽然と姿を消した。) 天草「さて、そろそろ来る頃か……」 N(天草は本を祭壇に置いて長椅子に座った。) N(朱雀神社にて) 玄武「ねぇレイ?麒麟さんいなけど、どうしたの?」 朱雀「あ?……ホンマにおらんなったやんけ……まぁ良えんちゃう?アイツの放浪癖はいつもの事やさかいに、気にすんな。」 玄武「それなら良いんだけど……」 神主「おや?こんな小さい子が居たとはね?もしかして君もそっちの趣味が?」 玄武「っ!?……だ、誰?……」 N(玄武は朱雀の背中に隠れて、顔をのぞかせる。) 朱雀「勘違いすんな、自分とこのロリコンちゃうで?コイツは俺の幼なじみや。ほら、コウ、挨拶せえ。」 玄武「……え、えっと……げ、玄武神嶽(げんぶこうがく)……です……」 朱雀「コラ!失礼やろ!隠れてないでしっかり挨拶せぇ!……すまんな?堪忍したってくれ。」 神子「ふふっ、私は構わないよ。」 N(神子は屈んで、玄武に目線を合わせた。) 神子「私は厩戸神子(うまやどのみこ)、この祭りの出場者だ。わたあめは好きかい?良かったらどうかな?」 朱雀「アカンアカン!そんなん食ったら後でコイツが夕飯入らへんなるやんけ!」 神子「固い事言わないでくれたまえ、せっかく祭りを開いたんだ、こう言うのは雰囲気と食事を楽しむものだろ?ほら、どうぞ。」 玄武「ありがとうございます……た、食べて、良いですか?」 神子「敬語は辞めてくれ、私の事も気軽に友達感覚で呼び捨てにしてくれても構わないから?ね?」 玄武「う、うん!……お姉さん、ありがとう!」 神子(可愛い……) 朱雀「……何やお前変態け?何かキモイで、手馴れてると言うか……もしかしてお前がそっち系ちゃうんけ?」 神子「……さて?どうだろうね?君は言ったじゃないか、偉人は、現代の世の者達が認識する概念となって姿を変えて下界すると……なら、向こうの世界で私が少年に欲情を覚える男色家として認識されてるなら、そうなるんじゃないかい?まぁと言っても、この体は女だけどね?」 朱雀「アカン、コウ……この変態に近ずいたらアカンで?」 玄武「……何かさっきまでは良い人だったけど……今の発言で一気に評価下がった……お姉さん、怖い……」 神子「冗談だよ、ただ……神嶽(こうがく)君と言ったね?少し渡しの目を見てくれないかい?」 玄武「え?」 N(神子はしばらく玄武の目を見つめる、数秒たった後、クスッと静かに笑い朱雀の方を見た。) 神子「……神主、大事にしてあげなさいな。」 朱雀「は?アホけ、どう言うこっちゃ?」 神子「それは私の口からは言わないし、彼自身もまだ自分の心根に気がついていない、いつか気がつく時が来るだろうから、その時は祝福するよ。」 朱雀「は?お前何か気持ち悪さに拍車かかってんぞ……」 神子「(ギャルっぽく)え〜まじ朱雀ッチ言い過ぎ〜!ミコちゃん泣いちゃう〜!ピエンピエン!」 朱雀「去ね!」 玄武「キモイ……」 神子「は?ちょ、普通に傷つくんだけど……君達モテた事無いでしょ?」 朱雀「(小声)あるし……別に……そんな……」 玄武「いや女とか興味無いし、友達と遊んでる方が楽しいし!レイ達と遊んでる方が楽しいし!」 神子「はいはい、そう言う事にしといてあげる。あ、ちな私、生前は既婚者です。さっせん、モテちゃってすいません。」 朱雀「は?お前1話のナレーションで、髭面オッサンでモテへんかった言うてはったで?」 神子「ギクッ!?」 玄武「まぁ、とりあえず……初対面ですけど……関わらないで下さい……」 神子「え?酷くない?ちょ、主人公が一番主人公してない作品で私の扱い酷くない?多分読んでた人達思ってたから!絶対私が主人公て思ってたから!なんならあの時、四神(しじん)じゃなくて豪族想界物語(ごうぞくそうかいものがたり)って思ってた人達いるから!」 玄武(確かに……) 朱雀「そんな事より、そろそろ始まるやん。はよ準備せいよ!」 神子「分かってるよ!」 N(数分後、コンディションを整え神子は一足先に舞台に上がる。神子は、先の試合で守屋が落とした鈴を拾って、剣に巻き付ける。) 神子「壊されたせいか、綺麗な鈴の音は出ないな。だが、物が壊れ朽ちると同時に、過去も置いて行く事で新しい未来が掴める。そして、上書きして行くのだ、新しい物、新しい思い出へと……過去を背負って苦しむ君を、敗北によって君を解き放ってあげよう!天草四郎!」 N(神子が後ろを振り向くと、ちょうど天草四郎も舞台に上がって2人は対面した。) 天草「ここまで事がおおきくなったのは、私が頑なに貴方達を拒否し続けたからだ、それは……貴方が先を託したあの国でも同じ事でした。貴方には、その責任を取ってもらう。」 神子「……確かに、アレは私の失敗だ。……無責任と思うならそう思えば良いし、私は今更あの時の過ちをどうしようもできないしどうでも良い。救える手には限りがある、私は私の救える人を救うだけだ……」 天草「……なるほど、それに私達のような異端を信じる者達は含まれなかったと……そう言う事ですか……」 神子「その返答は、君の時代を生きた王に言ってくれ、私はその時代を生きていないし、だけど……飛鳥は確かに和国(わこく)の山場だった、その時、私の見出した答えが間違ったのかもしれない。それは認めよう……どこで間違ったかな?……仏教を布教させた事がダメだったのか、天皇をまつり上げたのがダメだったのか……何だと思う?」 朱雀「御託は良えさかいに、準備は出来たんけ?」 神子「もちろんだよ。」 天草「私もです。」 朱雀「ほな、余計な事は言わんで良えな?ほな、始め!」 N(失楽園にて) ルシファー「ハハッ、君中々やるじゃん?」 麒麟「そりゃあ嬉しいよ!大人しくやられてくれると、なお嬉しいんだけどさ?」 ルシファー「それは難しいかな?……お?向こうの方も始まった見たいだ。」 麒麟(向こう?……レイ達の所か?) ルシファー「……なぁ、少し休戦しないか?」 麒麟「何でだ?」 ルシファー「君も気になってるんだろ?契約者と金髪ちゃんとの戦い、実は俺も大分気になっててさ〜?一つ言っとくけど、この失楽園の中では俺を倒せない、続けても無意味だろ?」 麒麟「その根拠はどこにある?」 ルシファー「根拠何て無いよ、信じるか信じないかは君が決める事だし、正直俺は勝ち負けが分からない戦いはしたくないしね?」 麒麟「……それもそうだな。」 ルシファー「あれ?やけに素直じゃん、もしかして俺の事信用してくれてるの?悪魔を信用するって、どうかと思うんだけど……」 麒麟「自分で言うかよ、確かに、ここはお前のテリトリーだし、お互いの実力が悲しい程にきっこうしてるのはどうしようもない。体力の無駄使いだから、大人しく、帰してくれるまで待つとするよ。」 ルシファー「ま、君の本来の目的は契約者を止めることで、俺と争う必要じゃないからな。……あ、コレ食う?」 麒麟「何だよそれ……なんかやけに白黒してるリンゴだな……」 ルシファー「善悪の果実、味はそこそこだから、味が合う人には合うと思うぜ?」 麒麟「……はむっ……変な味だな、まぁ悪く無いけど……」 ルシファー「なら良かった。ほら、映すよ。」 N(ルシファーは神子と天草の戦闘の様子を映す。) N(朱雀神社、戦闘会場にて) 天草「いざ……参る!」 N(天草は刀を抜いて神子に向かって走り出す。) 神子「参るって……この戦いに全てをかけてると言う事だね?ならこちらも全力で答えよう!七星展開!(しちせいてんかい)」 N(神子は剣を7本作り出し、天草に向けて発射させる。) 天草「その対策はねってある!」 N(天草は銃を取り出し、向かって来る剣を撃ち落とすように発砲する。) 神子(一点突破か?それにあの銃……彼の部下が使ってた物か……ならば!) 神子「全弾!追尾!4から7は旋回し正面から追撃!」 天草「チッ……私に力を貸してくれ!」 N(天草はレイピアを取り出し正面の剣を弾き、後ろの剣を発砲して防ぐ。) 神子(やはりある程度の武器は扱えるのか、こうなったら正面から迎えうつしかない!) 天草(銃の残弾は残り1発、予備でもう1つの銃には7発、次の剣は防げても、相手が何本作り出せるかはまだ分からない以上、予備の銃は念の為隠しておくべきだ。そのためには……) N(天草は正面から迎えうつ神子に向けて、2発撃ち、銃を捨てる。) 神子「この程度!」 N(神子は剣を作り出すと同時に、弾丸を真っ二つに斬る。そして、もう一個の剣を作り出し、2発目の弾丸も斬り伏せた。) 神子「天才()にその程度で勝てると思ったか?あまいぞ、天草四郎!」 天草「私はその天才に一度勝ってるんですよ!」 N(2人は接近し、鍔迫り合う。) 神子「仲間の武器を使うとはおそれいったよ、君にも背負う物があるんだね?」 天草「当たり前だ、私を信じて着いてきた者達のために!私が私達の居場所を守るために!二度と昔のようにはさせない!」 神子「その意思は、認めるよ……だけど、君が背負ってるのと同時に、私も背負ってる!そして、私と君の決定的な違いは!」 天草(ヤバいっ!押される!どこから湧いてくるんだ!?この力は!?) 神子「ハァァァッ!」 天草「ぐっ!?」 神子「……私は、君と共に共存できると思ってるからだよ。良いじゃないか?仏教でも、キリストでも、神道でも……信じるものが違くたって、私達は生きて行ける。……私はそう思ってるよ、だから……私が勝ったら、寄り良い未来を作るために、共に話し会おう。」 天草「黙れ!そんなの信用できるか!」 N(天草はもう1つの銃を取り出し、5発放つ。) 神子「なっ!?まだ持っていたのか!?」 N(神子は4発は防いだが、最後の5発目は脇腹に当たってしまう。) 神子(クソ……まだ持っていたのか……いや、警戒を怠るな……整理しろ、私の五感を使って……感じろ……) 天草「終わらせる!」 神子(足音、先程よりも強く踏み込んでる。狙いは何だ?正面からの撃ち合い……いや、わずかながら視線が右を向いてる。……それに、あの時、最初の銃の音……打ち切った時の空音がしなかった……) N(天草は神子に刀を振るう。神子はそれを防ぐが、レイピアを持つ手で器用に先程捨てた銃を広い、上に上げて天草は神子を押し返す。) 神子(やはり、あの銃は打ち切ったと思わせる為のブラフ!先程5回撃った方が空で、最初に投げ捨てた方が……本物ッ!) N(神子は距離を取るが、天草はレイピアを投げ神子の体勢を崩し、すかさず上に投げ、落ちてきた銃を掴み、神子に向けて放つ。) 天草「死ねッ!」 N(神子に着弾する瞬間、一本の七星剣が弾を防ぐ。) 神子「……流石だよ、天草四郎。」 天草「なっ……見えて、いたのか……」 神子「正直、私は熱くなり過ぎていた。超高速学習理解実行能力(ちょうこうそくがくしゅうりかいじっこうのうりょく)、長ったらしい名前だが、神が授けてくれた私の力……私の五感で感じた情報量をまとめて理解し、最適な答えを実行する。……私は持って産まれた者だ。……それは君もだろ?」 天草「……貴方には敵わないですが、それなりにもてはやされて来ましたよ……だが今はそんなの関係無い!コレは殺し合いだ!」 神子「言っただろ?私は君と共存できると思っている、君にも、希望を見せてやろう。」 天草「ッ!?……そんな事……信じられるはずがないだろ……」 神子「大丈夫だよ、信じる必要は無い。私は、行動で示すつもりだから……」 天草「黙れ!黙れ黙れ黙れ黙れ!」 神子「不毛な争いは終わらせよう。有意義な時間を作り出そう、過去も未来も……この世界の今を生きる私達だけに出来ることが……きっとあるはずだよ。」 N(この時、神社に集まって居た者達は皆神子の言葉を聞き入っていた。屋台の者達は手を止め、食べ歩く者達は足を止め、仏のように慈愛に満ちた表情で彼女は言った。) 神子「終幕だ、ここにいるもの達全てが見届け人だ。君が負ける所の、私が勝利する所の!そして、新たな神風を吹かすその瞬間の!」 天草「今更何だよ……今更過ぎるんだよ!どうしてだ!どうして私にそのような言葉を投げかける!?私は敵だ!お前達の!敵だ!なのに!……そのような言葉で私を惑わすな!」 神子「何故?そんなの簡単な話だ、私がそうしたいからだよ!」 天草「ッ!……ふざけるな……ふざけるな!ッ……お前のせいだ……(泣きながら)お前のせいで……私の心が満たされていく、敵であるお前の言葉に、希望を見いだしてしまった……」 神子「良いんだよ、希望を持って……だから、清々しい程の完敗ってのは、気持ちいいもんだよ。」 N(失楽園にて) ルシファー「やるじゃんあの金髪ちゃん……言葉の重みってやつ?朱雀ちゃんも玄武ちゃん達も、会場にいる皆黙りだ。……よっこいしょっと……いやぁ、それは良くないね?」 麒麟「おい、どうするつもりだ?」 ルシファー「契約者がちょっとね?このままじゃ計画が破綻しちゃうな?」 麒麟「なるほど……やっぱり、それじゃ、俺の計画も変更するか……」 ルシファー「へぇ?どうすんの?」 麒麟「お前の計画を潰す計画に変更だ。」 N(麒麟は槍を出してルシファーに襲いかかる。麒麟が槍をルシファーに向けた瞬間、ルシファーは天草の槍を掴んで止めた。) 麒麟「何!?」 ルシファー「勘違いした?もしかして同じぐらいの強さだと思った?……あんまり俺を舐めるなよ?神獣程度が……」 麒麟(クソっ!何て力だ!) ルシファー「黙って寝てろ、無駄な抵抗はするな。コレは警告だ、死にたくないなら黙って喰らえ。」 N(ルシファーは麒麟を引っ張り、引き寄せると、彼の腹に拳を叩き込む。) 麒麟「カハッ……」 ルシファー「寝てろ。」 N(倒れ込む麒麟に、ルシファーは足を上げてカカトを落として彼の頭を踏みつけた。) ルシファー「さてと……」 N(回想) 天草(私は、生まれながらにして才があった。学問は人より出来た、剣術もそれなりに腕を上げた。家柄も裕福だ。そして何よりも、私は人を導くのが得意だった。分からない事があれば教え、困っていたら助け、寄り良い方に向かう人々を見るのは、何だか心が満たされていた。だから、私は人々が幸せになれるようにと、そう心に決めて、キリスト教に入信した。民達が幕府に苦しんでいる、その状況を覆そうと、もっと良い道があるはずだと、私はそう思って一揆を起こした。……だがその目論見(もくろみ)は甘かった……人を束ねる事ができても、国と言う強大な力を動かす者達にとって、私の存在は邪魔だったんだろう。違うんだ、私が望んでいたのはそんな物じゃない、私が望んで居たのは……私達を、民達を、苦しむ私達を、知って欲しかった。人の心は弱いから、何かにすがらないとダメなんだ、だから、認めてくれ。私を、私達を……何がそんなに悪いんだ、私達の何が悪いんだ……私は……間違ってたのか……私には……希望等無い……) 神子(不毛な争いは終わらせよう、有意義な時間を作り出そう。過去も未来も……この世界の今を生きる私達だけ出来ることが……きっとあるはずだよ。) 天草(そんな言葉をなげかけるな!知らない!私は知らない!だって……生きてる時に、誰もそんな事を言ってくれなかった……) 神子(良いんだよ、希望を持って……) 天草(眩しい……この眩い光こそ……希望だったのか……) ルシファー「ダメだよ、契約者。……不毛な争いは終わらない、有意義な時間も作れない、学ばなかったのかい?……君はもう、俺と出会った時点で……後戻り出来ないんだよ……さぁ、堕ちろ、愛しい程の絶望を……) 天草(光が……遠くなる……そっか……光が大きく輝けば、闇は大きくなる。暗闇から見える光はとても眩しい、だが……光からは、暗闇が見えないんだ……) ルシファー「さぁ……言ってごらん?」 N(朱雀神社、舞台上にて) 天草「(苦しみながら)ぐっ……がぁぁぁぁっ!?やめろっ!出てけ!……私の中から!) 朱雀「ッ!?どうした!?」 神子「大丈夫か!?」 天草「来るなァ!……ハハッ……ハハハハハッ!……」 N(天草の目は、白目の周りが黒く染まり、瞳は赤く、血の涙を流しながらかん高い声で笑い出した。) 天草「……お前が……輝けば、輝くほど……契約者の闇は大きくなる……感謝するよ、金髪ちゃん……」 神子「……誰だ、君は……」 天草「黎明(れいめい)の子、明けの明星(みょうじょう)よ……」 朱雀「ッ!?……アカン……」 玄武「れ、レイ?」 朱雀「コウ!止めるぞ!」 玄武「え、ちょっ!?」 N(朱雀は屋根から降りて、舞台の方に駆け出した。) 朱雀「やめろ!四郎!」 天草「ぐっ!?……零神……ありがとう……貴方も……」 神子「どう言う意味だ!?」 ルシファー(我が名は……) 天草「ぐっ……あっ……わ、我が名は……」 N(朱雀は舞台に上がり、天草の口を塞ぐように、天草の顔を地面に叩きつける。) 天草「ガッ!?」 ルシファー(チッ……邪魔が入ったか……) 朱雀「お前何しようとしてんねん!落ち着け!早まんな!……お前……ホンマに何が考えてんねん……」 ルシファー(だが、もう遅い!) N(天草は暴れ出し、朱雀を無理矢理どかす。) 朱雀「チッ……クソ!ホンマにシバいたるわ!四郎ォ!」 N(天草は詠唱を言いきろうとした瞬間、朱雀は刀を出して、天草の喉を切る。) 天草「アッ……カッ……ァ……ァア……」 ルシファー(言ったはずだ!もう遅いと!) N(天草は喉から溢れる血で、地面に文字を書いた。文字には、Lucifer(ルシフェル)と書かれていた。) 朱雀「ッ!?このアホンダラァ!」 神子「神主!?コレはどう言う……いったい何が……」 玄武「最悪……お姉さん!早く逃げるよ!」 神子「わっ!?ちょっ!」 N(玄武は神子を抱えて、会場から離れた。) 朱雀「人里のお前ら!見ての通り最悪の事態や!今すぐ人里に降りて家に篭れ!今夜は絶対に家を出んな!」 N(朱雀は人里の人達を避難させる。) 朱雀「四郎……」 N(先程まで、喉から赤い血を垂らしてた天草の血は、黒くどす黒く変わり、体中には、増殖するようにラテン語のタトゥーが体中に描かれる。純白の白い翼は、カラスのように漆黒の色に染まり、額には、2本の角が生えた。) 神子「……アレはどう言う……」 玄武「堕落者だよ……何かをきっかけに、神聖が膨大に膨らみ、まるで本物の神のような力を手に入れる事ができる。ようするに、僕達四神と同じ強さを手に入れる事ができるんだよ……でも、それと同時に、代償として何かを生贄に捧げる必要がある……自分にとって、もっとも大切な物を……それを捧げた結果がアレだよ。」 N(突如として、天草の周りから、黒い(まゆ)か、天草を包む。) ルシファー「ふぅ……ようやく2人きりになれたな?契約者……さて、話し合う!何を代わりに捧げる?」 天草「……分からない……」 ルシファー(心の中に入ってぐちゃぐちゃにし過ぎたかな?大分精神がやられてんな……) 天草「……ただ、私の守りたい物は……失いたくない。」 ルシファー「……了解、じゃ、それ以外の全てを頂くぜ?」 天草「あぁ……」 ルシファー「最後に一言、コレで全ての契約が完了できる。さぁ……言ってくれ?」 天草「……私は……全てを捧げる……。」 ルシファー「……契約、完了だ。」 N(繭が散らばり、中からはルシファーと天草が姿を表す。天草の羽は二対四枚(についよんまい)の漆黒の翼となった。) ルシファー「良い面構えになったよ契約者、さて……進めよっか、計画を……」 天草「あぁ……」 朱雀「……チッ……まだ諦めてなかったんけ?クソ悪魔……」 ルシファー「久しぶり、元気かな?小雀(こすずめ)君。」 朱雀「その名前で呼ぶな、死にたいんけ?」 ルシファー「おぉ〜怖い怖い、相変わらず治ってないねぇ?」 天草「……任せる、俺はあの人を殺す。」 ルシファー「任せてよ。」 N(天草は翼を羽ばたかせて、神子を追った。その時、入れ替わるように朱雀の元に、麒麟も雲に乗ってやってきた。) 麒麟「よっと!……悪いな?待たせたわ。」 朱雀「お前、どこに行ってたんけ?急におらんなんなや、シバくぞ!」 麒麟「ごめんって……ま、俺も手伝ってや」 朱雀「(被せるように)いらん、去ね。」 麒麟「はぁ!?」 朱雀「お前がおらんなる言う理由はだいたい分かっとるさかいな、負けてんのやろ?コイツに?ちゃうけ?」 麒麟「チッ……そーだよ!」 朱雀「そやったら邪魔やねん、人里の方に行け。道中、困ってるチビと金髪がおるやろうから、そいつら助けたってくれへんけ?」 麒麟「……分かったよ、お前!負けんじゃねぇぞ!」 N(麒麟は神子達を追いかけに行った。) 朱雀「誰に抜かしとんねんカス!……俺が負けたら、いよいよホンマに死んだるわ!」 ルシファー「10年前、初めて会った時より大きくなってるね?あの時の君はまだ10歳、俺に手も足も出ない程弱かったのに……ますます似て来てるよ、あの人にさ?小雀君。」 朱雀「うっさいわ、何しはるか知らんけど……とりあえず、お前は俺にとっての敵や。」 ルシファー「そうだね、さぁ!楽しもうか!」 朱雀「……尋常に……舞い踊る!」 N(朱雀は両手の指を鳴らす。彼の両手から炎が湧き上がり、炎を握ると、炎は形を変え、一本は刀に、二本目は刃先が折れた刀にと、形を変えた。) ルシファー「あれ?その刃先が折れた刀……左翼・狂焔(さよく・きょうほむら)……それ、君が持ってたんだ?あの人の刀、受継いだんだね?」 朱雀「そうや、やから……とことん見てってくれ!」 N(玄武視点) 玄武「…………あ、あの……一言良い?」 神子「どうしたんだい?」 玄武「……あのぉ、いい加減降りてくれない?重たい……です……。」 神子「はぁ!?重くないですぅ!私は45キロです!この身長でこの胸でこの体重はだいぶ軽い方なんだけど!」 玄武「……あ、はい……」 玄武(……この人あんまり関わり無いから苦手なんだけど……) 神子「それよりも……」 玄武「え?」 神子「いや、なんでも無い。シリアスな雰囲気にしただけだよ。」 玄武(ヤバい、ムカついて来た。) N(天草は突如として、玄武達の前に現れる。) 玄武「ちょっ……とととっ!……急には止まれ無いんだけど?」 天草「あ、すいません……えっと……元気、ですか?神嶽(こうがく)。」 玄武「あ、うん……元気だよ、四郎さん。なんか、顔色悪いね……」 天草(何か……) 玄武(……気まずいな。) 神子「ここであったが100年目!勝負だ!」 玄武「えっ!?あっ……うん!そうだ!敵!お前は敵だ!」 天草「えっ、あっ……」 玄武(とりあえず乗ってよ!この人案外気つかえ……) 神子「決まったかな?ドヤッ!」 玄武(あ、この顔ダメだ。普通にカッコつけてるだけだ。) 天草「(棒読みで)……そーだ、ここであったがー……えーと、まぁ、とりあえず……勝負?……で、良いんですか?」 神子「そう!勝負だ!」 玄武「……まぁ、やろうか?」 天草「えぇ、そうですね。」 神子「良いのかい?初めて会った時は、こう言う状況を嫌がっていたけど、良いのかい?」 天草「……そうですね。あの時の私は、貴方との1体1なら、隙をつけば勝てると思った。でも……今なら、真正面から堂々と踏み潰せる!」 神子「そうか?卑怯とは言いまいね?」 天草「えぇ、コレは……殺し合い、ですからね?」 玄武「……話がまとまったなら、行くよ?」 神子「……あぁ。」 天草「来なさい。」 N(玄武は指を鳴らす、玄武は大地に手を突っ込み、引き抜くと、彼の体の数倍大きい大剣を取り出す。) 神子「おぉ、凄い大きな剣……ならば、私もっ!」 N(神子を剣を取り出す。) 神子「……ふむっ、やはり君の方が大きい……身長は小さいけどね?」 玄武「君も僕の敵?」 神子「冗談だよ、さぁ、行こうか!」 N(神子と玄武は同時に襲いかかる。天草は2人の剣を同時に素手で受け止める。) 神子「嘘ッ!?素手ッ!?」 玄武「マジかよっ!?」 天草「なるほど……なら試しに……」 N(天草は2人の剣を持ったまま、地面に叩きつけた。) 玄武「ガハッ!?」 神子「いってて……」 天草「さぁ?起き上がって下さい。まだこの力を試せてないんでね。」 神子「舐められたものだ……じゃあ、私も本気を出そう!十七剣(じゅうしちけん)!展開!」 N(神子は16本、七星剣を作り出し、宙に浮かせる。) 神子「十七条・第十の剣!(じゅうしちじょう・だいじゅうのつるぎ)……合体!倶利伽羅(くりから)!」 N(神子は16本の剣を合体させ、巨大な剣を作り出す。) 玄武「デッカ……」 神子「え?私は今女だから、男性のアソコは持ってないよ?」 玄武「いやそう言う事じゃなくて……」 神子「あ、そうなの?まぁとりあえず!山一つは斬れるかな?」 玄武「そんな技あったんだね?」 神子「そこまでは知らないけど、さっき思いついた技だよ!」 玄武(この人適当なんだな……) 神子「玄武君……」 玄武「え?」 天草「言ったはずだ!真正面から全て踏み潰すと!貴方に教えてあげよう!今の私には、貴方の全てを潰せる!」 N(天草は振り下ろされる超巨大な大剣を片手で受け止める。天草の体は地面にめり込み、大きな地鳴りがなるほどだった。) 神子(さすがにコレも無理だったら……) 天草「やはり甘い、これが貴方の本気か?……だったら、残念だ。」 N(天草は大剣を握り潰す。大剣には大きな日々が入り、剣は16本の剣となって散らばり、握ってた部分の2本の剣を天草は握り潰した。) 神子「はぁ……最悪だよ。玄武君、プランBだ!」 玄武「ま、そりゃあそうなるよね?」 神子「さぁ、誘導しようか?」 天草「何を話してるんですか?もう技を出しつくしたなら、今度は私の番ですね。」 N(天草は手を天に掲げ、彼の手には強大な魔力の球体が集まりだす。) 玄武「ちよちょ!?山って言うか……想界まるごと消すつもり!?」 神子「戦略的撤退!」 玄武「はぁ!?逃げた!?……あーっ!もうっ!……やるしか無いか……」 天草「いい気になるな……今の貴様達じゃ俺には勝てない!圧倒的な格の違いを見せてやる!パラダイス・ロスト!」 玄武「ごめんね四郎さん、こんぐらいの状況切り抜けられなかったら、僕は四神なんかになってないよ。」 天草「ならば潰してみろ!」 玄武「……あんまり、僕達を舐めるなよ!」 N(玄武は向かってくる超巨大な魔力の球体を縦から斬り付ける。) 玄武「ぐっ……クソっ!」 天草「君じゃ無理だ!諦めろ!」 玄武(重たい……コレだけの物をいとも容易く放てるなんて……正直、舐めていたのは僕の方だ。……昔から四郎さんの事は知ってる、優しくて、努力して、人に尽くす人だった。そんな人が、こんな邪悪の塊を人にぶつけるなんて……でも、僕は四神だ。貴方が想界の敵になったなら、容赦しない!) N(玄武神嶽(げんぶこうがく)、15際。四神四家(しじんよんけ)の1つである玄武家の若き当主。幼い頃から四神としての英才教育を受けで育ち、生まれつき常人の数十倍の筋肉密度を持つ。そして彼が今扱う剣。「「大剣・地天剛蓮」(たいけん・ちてんごうれん)、大きさ約132寸((4m))、重さ950キロ、これ程の大剣を片手で振り回す程の腕力、その大剣を持って彼が得意とする技、それは……) 玄武「だから、行くよ!……斬切・六連(ざんせつ・ろくれん)!……1回!2回!3回!4回!5回!……ッ!コレで、最後だ!」 N(カッコイイ名前をつけただけの、単なる力任せッ!すなわち、彼には技と言う技が無い!彼は、当主になってからの約5年間、ゴリ押しで切り抜けて来た!) 玄武「6回ッ!」 N(6回目、彼は見事に天草の魔力球を、見事に斬り伏せた。) 玄武「ッ!……はぁ……はぁ……結構しんどいね?」 天草「……流石だ、神嶽。」 神子「良くやった!ついでにスケットも連れてきた!」 麒麟「ヒーローは遅れて登場するってもんだ!」 玄武「え、何でいんの?」 麒麟「向かってる途中、この人に会ってな。何でも良いから協力してくれってたのまれたんだ。それに、作戦の詳細聞いたけど、俺が居なかったら成り立たない奴じゃねぇかよ。」 神子「大丈夫、君が来る事は知ってたから。」 麒麟「何はともあれ、誘導作戦成功なんだろ?お前の神具(しんぐ)貸せ。」 玄武「誘導……て、言っても、一歩だけなんだけどね?」 麒麟「重ッ!?……オラっ!」 N(麒麟は玄武の大剣と自分の槍を地面に突き刺す。) 天草「どう言う……まさかッ!?」 N(天草は周りを見渡す。辺りは神子の七星剣(しちせいけん)が14本突き刺さっている。) 麒麟「おい!コレで16本だ!」 神子「流石だ!……拘束・理念の檻(こうそく・りねんのおり)!」 N(天草は四肢を拘束される。) 天草「この技っ……私が使ってた……クソッ!」 神子「今度は、立場が逆だね?……強くなったと過信し、私を舐めた油断。……君がそんな力に頼らなければ、結果は変わってたかも知れない。……十七条・第十七ノ剣!(じゅうしちじょう・だいじゅうななのつるぎ)……和ノ大亜琉奏(わのおおあるかな)!」 N(神子は自分が持つ17本目の剣を地面に突き刺す。すると、剣を順番に輝きを放ち、突き刺った剣は、天草を囲うように5等星の形となる。) 神子「……君がこうなったのは、恐らく私のせいだろ。それに……(微笑むように)約束がまだだったね?……君を、敗北によって解き放ってあげよう。……南無三ッッ!!!」 N(5等星は強大な光を放つ。その光は、想界全土で見える程に、とてもつもなく大きく、神々しい程に、綺麗な黄金だった。) 神子「はぁ……はぁ……」 玄武「跡形もなく消えたね……」 神子「ハハッ……よく頑張ったよね?私って……でも、何だろう……嬉しさより……なんか、悲しいな……」 玄武「変態お姉さん……」 神子「え、今それ言う?」 麒麟「何はともあれ、良くやったよ。俺らは……」 神子「(泣きながら)……そうだね、良くやったよ。私達は……ねぇ、天草四郎、君も感じてたんだろうね?誰かを救えないって事の……無力感を……」 麒麟「……しばらく待とうか、なぁ?神嶽?」 玄武「あぁ、そうだね。麒麟さん……3人で、待とうか?」 神子「すまない、少し回復術ををかけてくれないか?……出血が……」 玄武「ちょ、大丈夫!?」 麒麟「こんな状態で戦ってたのかよ、待ってろ、今かける。……無茶するな、アンタ?」 神子「無茶と言うよりは……賭け、だったかな?」 麒麟「感服致しますよ、聖徳太子さん。」 N(朱雀 対 ルシファー) ルシファー「お?何あれ、凄い光!」 朱雀「終わったらしいやんけ?そやったら、俺らも終わらせなアカンちゃうけ?」 ルシファー「そうだね……いい加減、ボロ神社がボロボロ神社になっちゃうよ?」 朱雀「は?ダル!おもんないねん、鳥居代78万円、赤漆(あかうるし)28万!とりあえず、あれこれ考えるのはめんどくさいさかいに、100兆円!払え!」 ルシファー「嫌だと言ったら?」 朱雀「殺すッ!以上!」 N(朱雀はルシファーと正面から斬り合う。お互いの実力はきっこうし、血だらけになりながらもぶつかり合う。) 朱雀(アカンな、ホンマに埒が明かへん……それに、血が出過ぎてる……アカンなぁ……時間があらへんわ。) ルシファー(本当にヤバいねぇ……マジで実力同じじゃん……神獣とは本当に格が違う……10年間でここまで追いついたのか、それとも、封印されたブランクかな?……失楽園……あそこに放り込めれば、俺の勝ちだ!) 朱雀「朱炎・第一ノ舞(しゅえん・だいいいちのまい)……両殺!(りょうさつ)!」 ルシファー(来る!チャンスは今しか無いッ!) N(朱雀は思いっきり踏み込み、一瞬にしてルシファーの間合いに入り、両腕を切り落とす。) ルシファー「ッ!?……やるじゃん!」 N(ルシファーは反撃として朱雀の顔を蹴り上げる。) 朱雀(グッ!……コイツ、イケメンの顔を蹴るとかアホちゃうけ!) ルシファー「空間食(くうかんしょく)失楽園(しつらくえん)!」 N(蹴り上げられた朱雀の背後には、彼を吸い込もうとするように、黒い穴が現れる。) 朱雀(アカン!アレはホンマにアカン!そして、この出血……意識がっ……うわっ、やってまう……) N(朱雀は身体を取り込まれ、右腕以外その場から跡形もなく消えた。) ルシファー「はぁ……タイミングはあの時しか無かった。だが、代償として両腕、か……重たすぎんだろ。それに……いやぁ〜強くなった!本当に!リュウメンスクナの大災害の時は、まだあんなににちっさかったのに……いやぁ、良く成長して……何だ?この血……熱ッ……」 N(先程落ちた朱雀の腕から出る血が、急激に熱を帯びて湯気が出る。) 朱雀「……ホンマに、アカン言うたんやけどな……」 ルシファー「あ?」 N(ルシファーが振り向いた瞬間、空間が斬り裂かれたように見えた。) 朱雀「お前、やるやんけ。……ホンマに俺死んだやん……」 N(朱雀は空間から出て来るように、先程の黒い穴をこじ開けて出てくる。朱雀の身体中には、炎が纏われ、垂れる血液はマグマのように沸騰していた。) ルシファー「嘘だろ……刀だけじゃなくて、血まで……受け継いでるのかよ……どんな修行したら、その域に辿りつけるんだよ……」 朱雀「簡単や、俺が……天才やから!……まぁ、とりあえず……去ね()!」 N(朱雀は先程落ちた自分の腕をくっつける。) ルシファー「ヤバい……負けそう……ごめん契約者、今の俺、結構ピンチかも……」 朱雀「行くで?」 N(朱雀は一太刀振るう。するとルシファーの身体は真っ二つになる。) ルシファー「ハハッ……はやっ……」 朱雀「だから焦ってたんやけどなぁ?俺、この姿あんま好きちゃうねん……ま、良えけど……朱炎・第二ノ舞(しゅえん・だいにのまい)……火鳥千連舞(ひどりせんれんまい)!」 N(朱雀は一瞬にしてルシファーを細切りにする。ルシファーが消えた後、想界は日が登り、太陽が朝だと知らされる。) 朱雀「二度と出てくるなよ……冗談抜きでホンマに……」 N(朱雀零神、20歳。最強の四神、朱雀零庵(すざくれいあん)の一人息子であり、母の背中を追い、最強の四神を目指す者。彼がこの先向かう未来は、希望か、はたまた絶望か……) N(想界、とある場所にて) ルシファー「やっほー!どったの契約者、ボロボロじゃん。」 天草「そう言うお前もな?」 ルシファー「ま、何はともあれだ。コレで計画は順調に進んでるね。てかあの朱雀強すぎ何だけど、マジでやられちゃったよ……正直、四神を舐めてたわ。神獣は余裕だったんだけど……本当に良かったよ。」 天草「この写本か?」 ルシファー「そう!それ!俺の本体はそれだから、別に俺がいくら死のうが俺は死なないけど……ただ……受肉した身体だったらマジで死んでたわ。」 天草「そう言うお前も、本気は出てないのだろ?」 ルシファー「いや、本気は出した……本気の7割……だけど向こうは最後の一緒だけ本気を出した。ようするに、向こうの普段が俺の本気の7割でトントン、って事だね?」 天草「先代の四神は、朱雀零庵(すざくれいあん)があまりにも強すぎて、他の三家は日の目を浴びなかったが、今の零神達の代は違う。個々で特出した才能がある。一筋縄では行かんだろうな。」 ルシファー「何か、嬉しそうだね?」 天草「そうか?……まぁ、コレで、始零図書(アカシックレコード)のキーはコレで揃った。後は……勝手に想界が堕落者を生み出す。」 四神想界物語 第5話 ~完~
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