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「待って。三人とも恰好がバラバラだから別々に拉致られたのかと思ったけど……あんたたち、一緒にお酒飲んでて浚われて来たの?」
「おう……ってお前朝香か!あんま変わってないなあ。璃菜は可愛くなってんのにな!」
「一言多いわよバカ春義!」
こんな状況なのに、何でコイツはヘラヘラと笑ってられるのだろう。春義の頭にチョップを落としていると、埒があかないと思ったのかため息交じりに駆が言った。
「その通りだ。偶然同じ店で三人で再会してな。みんな一人だったし、仕事終わりだったから一緒に飲むかという話になった。健之助が飲みまくるのを春義と二人で止めていたところまでしか記憶にない。朝香に璃菜、お前達も一緒にいたのか?」
「……うん。同じ会社入ったから、二人で飲んで帰って、お店出たところまでしか記憶がないの」
「なるほど」
全員、どこかしらでお酒を飲んでいたら誘拐されて、いつの間にかこんな場所にいる。しかも三人と二人、それぞれ一緒に飲んでいた状況。偶然とは思えなかった――ここにいるのが、高校時代の仲良し五人組であることも含めて。
普通に考えるのならば。自分達に恨みを持つ、誰かの犯行ということになるのだろうが。
『こんにちハ、皆様。こんにちハ』
「!」
突然、天井から声が降ってきた。思わず朝香は皆と一緒に頭上を見上げる。丸い部屋の天井は吹き抜けになっていて非常に高く、一体どこにスピーカーらしきものがあるのかもわからなかった。反響して響く声は機械で加工されているらしく、男なのか女なのかさえ定かではない。
『お集まりいただいた皆様にハ、これからあしあとゲームをしていただきマス。ゲームに勝利した二人だけが、この場所を生きて出ることができマス』
自分達の戸惑いをよそに、声は淡々と説明を続ける。
『皆様には、それぞれお部屋を用意しまシタ。全て、食糧、トイレ、風呂、ベッドなどが完備された快適なお部屋となっておりマス。お部屋にはあらゆる武器、凶器の類も用意されておりマスが、通信機器の類いは使えませんのでご注意くだサイ。ルールは非常に簡単でございマス。三日後のタイムリミットがきましたら、皆様はその台座の上に設置された粘土に、自分の足跡をつけてくだサイ』
「あ、あしあと……?」
『ソウデス。その足跡が、小さかった人の勝利ということになりマス。足跡をつけることができなかった人は、その場で失格デス。一番足跡が小さかった上位二名のみ、この場所から脱出することができマス。足跡を小さくする方法を、三日間皆さんは一生懸命考えてくだサイ!』
「え、え?」
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