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「そうだけど…」
「じゃあ、一緒に飲もうよ」
「え…、」
許可なんてしてないのに、席を立った彼は私の横に座った。
「マスター、これお代わり」
「かしこまりました」
彼に返事するのと同時に、私の目の前にカクテルが差し出された。とろりとしたピンクの液体。
「何これ?」
明るい声で彼が尋ねる。
「ストロベリーマティーニ、」
「なにそれ、かっこい!やっぱ俺もそれにする!」
プ、と吹き出してしまった。子どもみたいに無邪気な、その笑顔。
「なに?なんかおかしい?」
「いや、なんだか可愛いなと思って」
たまには、知らない人に愚痴を聞いてもらうのも良いかなって。
「じゃあ、今日はとことん飲もう!」
ピンクのカクテルグラスで乾杯した。
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