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佐藤 一@真面目 (約30秒)
元輝と北斗のリフトのぺーぺーコンビが朝の営業準備をしている。雪を削りながら元輝が駐車場を見やると、白いおんぼろ軽自動車がやって来た。
「北斗~。はじめちゃん、もう来ちゃったよ~」
古いウエアに古い板。ついでに滑り方までひと昔前のそれ。
恐らく定年退職してのエンジョイ☆シニアライフなのだろう。
家でのんび~り暖か~く、大人し~くしてりゃいいのに。
シーズン券を購入し、毎日のように一番乗りでやって来る。
しっかりピステがかけられたバーンが目当てだ。
リフト営業のきっちり30分前には乗り場前で準備運動。
お決まりのルーティン。
現役時代の働きぶりが如何に実直なものだったかが窺える。
けれど俺は知ってる。
はじめちゃんって、ドカ雪降った次の日は誰も見てない時に、わざわざ遠回りしてまっさらな新雪に足あとを残すのが好きなんだ。
あっ、ほらね。
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