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若者達@リフトから降下 (約1分)
男達が次々集まる。
雪かきを肩に担ぎ臨戦態勢。
オプションでスキー、スノボの板を持つ者もいる。
ペアリフトにきっちり二人ずつ乗り込む。
不意にリフトが止まった。
第一ポイントに到着。
すると突然6人が次々と飛び降り始めた。
ずぼっ。
ずぼ、ずぼっ。
もはや、これは足あとではなく人あとだ。
すると、彼らはおもむろに、リフト下の雪を掻き出しはじめた。
雪が降り過ぎたのだ。乗車すると足元が引っ掛かる程に。
同様に第二ポイントで残りが降下。
ずぼっ。
ずぼっ。
ぼすっ。
「やっべ~。埋まる~」
元輝は突然早朝に起こされたにも関わらず、ハイテンションだ。
「何、朝からぶち上げてんだよ」
北斗は地元の農家の長男坊なので雪なんか珍しくもない。おまけに朝は苦手だ。
「あ~っ。手がスベった~。」
突然元輝が北斗に雪をかけた。
「ざけんな!」
第二ポイントは、他の若者も巻き込み、壮絶な雪の掛け合いとなり、大の男達が奇声を上げおおはしゃぎとなった。
「ガキかよ、お前ら。そろそろいい加減にしろ!営業時間に間に合わんぞ」
呆れたように吉田が苦笑いで発破をかける。
作業が終わり、皆下り始めた。
歩いて下りる者。
銘々持ってきた板で滑り降りる者。
まだ誰にも踏まれていない雪の上を、思い思いに描いていく。
ちょっとしたご褒美だ。
さて。一日はこれから始まる。
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