元輝と北斗@雪上の波乗り達 (約1分)

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元輝と北斗@雪上の波乗り達 (約1分)

 とある日。リフト営業が強風で中止となった。  天候の好転が見込めないことから終日運休が決まった。  そんな悪天候の中、ここの名物の急斜面の端を、小脇にボードを抱え黙々と登って行くピンクとアースカラーの二人の影が、吹雪の合間から見え隠れしている。  凄まじい風と雪が二人に追いつき、ひざ上の深い足あとすら、かき消していってしまう。  時折襲うホワイトアウト。  視界はゼロになり、その烈風に体を持っていかれる。  耳元に襲う風の轟音と、痛い程の寒さが更に恐怖心を助長する。  吹きつける雪でニット帽が真っ白だ。  自分の吐く息が凍り、もみあげも白くなる。  吹き込む風に息も苦しい。  荒れ狂う猛吹雪を全身にまともに受ける。  それでも淡々と登る歩みを止めることはない。  ゆっくり、ゆっくり足を運ぶ。  頂上付近の風をまともに受けないポイントに辿り着くと、二人は座り込み、おもむろにボードを装着する。  暫し休みながらタイミングを窺う。  …風が…  ()いだ。  この時を待っていた雪男達は立ち上がった。  登って来た者にしか味わえない極上の雪。  斜度にビビらない様、しっかり肩を下げる。  こんな雪の時は、ちょっとだけ板の先を上げる。  ターンはジャンプするように切り換える。  ひざ下まで埋まる程、深く潜った板の先が、すーっと雪を掻き分け浮き上がる感触。  悪いけど、この浮遊感はスキーなんかより断然気持ちいいはずだ。  雪の波をひとつずつ乗り越え進んで行く。  その軌跡は留まらず、刹那に掻き消されながら。  二人はビッグウエーブを乗り越え、高く、高くジャンプした。 「滑っちまったら、あっという間だったな。」  *命に関わるので、くれぐれもコース外を滑る事はお止め下さい。   係員の指示に従ってお楽しみください。
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