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そんなことをしてたら真田の家に着いた。 1階のコンビニで少し食べ物を買ってから3階へ上がると、リビングのソファを勧められた。 真田はそのまま別の部屋へ入っていく。 ここへ逃げてきた時、住む家はすぐ決まったものの即入居といかず、しばらく真田の家にお世話になったことがある。その時もそうだった。真田は帰るとすぐリビング脇の部屋に入る。そしてしばらくすると香る香り・・・。 「僕もお線香あげていい?」 部屋から出てきた真田に声をかけた。 前に来た時は何も思わなかったのに、今日はなんだかお線香をあげたくなった。 これも心に余裕が出来たと言うことか・・・。 真田は少し驚いた顔をしたけど、直ぐに体をずらしてドアを開けた。 そこは一通り家具はあるけど使っていない部屋のようだった。その一角にある仏壇。そこからお線香の煙が立ち上っている。 僕がそこまで行くと、隣に来ていた真田がお線香に火をつけて渡してくれた。それをあげて手を合わせる。 おそらく真田の母親だろう。写真の中で真田に似た目元の女性が笑っている。 僕は彼女に真田に会えたことと、これまでの感謝の気持ちを伝えた。 リビングに戻ると、真田がいろいろ用意していた。 「線香ありがとうな」 そう言って、僕にミネラルウォーターのペットボトルを渡した。 それを受け取りソファの前に座る。 「真田は偉いな。毎日手を合わせて」 真田は朝もお線香をあげている。 「習慣なんだよな。生きてる頃にしていた挨拶をそのままやってるかんじ」 真田は照れたようにそういうと、缶ビールを手に僕の隣に腰を下ろした。 「それが偉いんだよ。うちなんて仏壇すらないからね」 何気なく言った言葉に真田は動きを止めた。
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