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少し体の向きを変えるのにも一苦労で、今後気をつけようと肝に銘じるも、向きを変えた拍子に布団の中からふわっと香った香りに、胸がいっぱいになった。 ナオの匂い・・・。 思わず布団の中に顔を埋めてその残り香を嗅ぐ。つい先程までこのベッドにいたであろう直人の香りを嗅ぐだけで、体の奥がじわりと疼いた。 思いが通じあってからの交わりは本当にすごくて、どこもかしこも性感帯になってしまったように感じまくり、息付く間もなく上り詰めて何度も極めてしまった。それを思い出して、今後もそうならない自信がなくなってしまう。 それに体力のピークも過ぎてそっちも落ち着いてくるであろう年齢なのに、あんなに乱れて求めてしまった自分が恥ずかしい。離れている間の激しい自慰も思い出して、自分はなんてはしたないんだろうと自己嫌悪に陥ってしまう。 僕って実は精力ありすぎ・・・? テカテカオイリーなオジサンが夜のお店のおねえさんの太ももに手を置いてニヤけてる光景を思い浮かべ、血の気が引いた。 僕ってあれと一緒? そう思った瞬間ガチャりとドアが開き、僕は思わずそのまま布団の中に潜ってしまった。 「ユウ?起きたのか?」 先に起きていた直人が部屋に入ってきたけど、僕はどんな顔をしていいのか分からない。 「ユウ?」 何も言わずにそのまま潜っていると、直人はそばまで来てベッドに腰掛けた。 直人の体重でベッドが沈む。そして、すぐそばに感じる気配。 「ユウ、具合が悪いのか?」 声が心配を含んでたので、僕は少しだけ布団をあげて起きてることを示した。 「顔見せて」 少しだけしか布団を開けない僕に業を煮やしたのか、直人が布団を持ち上げた。 「顔が赤いな。また熱が出たのかも。体温計持ってくるから・・・」 僕は慌てて体温計を取りに行こうとする直人のシャツの裾を掴んで止めた。 「熱じゃないから・・・!」
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