510人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
最初の頃それを言ったらものすごく怒って泣かれたので、もう口に出して言ったりしないけど、それは紛れもなく僕の本心だ。
例え、僕が直人を忘れて白井くんを好きになったときに彼の気持ちが変わっていたとしても、僕はそれでも構わないと思っている。白井くんには本当に幸せになってもらいたいのだ。それくらい彼には感謝している。
ずっと暗闇の中でもがいていた僕を白井くんがすくい上げてくれたから、僕はまた歩き始めることが出来たのだ。
もし白井くんが現れなかったら、僕はきっとまだ暗闇の中にいたと思う。そしてそのまま朽ちていたかもしれない。
あの時はそれでもいいと思ってたから、本当に死んでたかも・・・。
でも、もしあのまま死んでたら無意識に未練が残ってしまって成仏できず直人に取り憑きに行っちゃってたかもしれない。
そんなくだらないことを考えて、一人で笑ってしまった。
こんな風に笑ったのはいつ振りだろう。
くだらないことを考えるのも笑えるのも、心にゆとりが出来たからだ。
これもみんな白井くんがそばにいてくれるおかげた。
ゆっくりゆっくり、白井くんは僕の心を癒してくれる。
だからもう少し、待っていてね。
最初のコメントを投稿しよう!