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それから何日も彼は同じ木を目指して林へやってきた。
僕は気が気じゃない。
彼はひどく雪が降ってもやってきて足跡を残していった。まるで道を作っているようだと思ったが、それはさすがに考えすぎだろう。
およそ10回目の訪問で彼は「クソッタレ」と呟いて首を吊った。足跡を重ねて作った溝と積もって固まった雪を利用して首を吊ったようだった。
その日は積雪がすごくて宙ぶらりんだった彼のつま先を埋めた。
僕は彼の死体をしげしげと見つめると、ほっと息を吐いた。彼がもう少し先に足跡を付けようとしていたら、きっと僕の体は踏まれていたに違いない。
月光が雪を照らすと以前実家にあったスノードームを思い出した。
キラキラとした銀粉はさらされた彼の体を覆っていくのだった。
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