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ウィルを観察してみた!
「……」
「……」
「……」
「ちょっとフィル、さっきから何なの。人の顔じろじろ見て」
「やっぱりなあ。どっからどう見てもおれと同じ顔だよな」
「そうだね。楽しい? 自分と同じ顔見るの」
「決してブサイクではないからな」
「は?」
「であれば! なんでウィルばかりモテる!」
「何言ってるの。頭大丈夫?」
「健康体だ!」
「そう。……そうだね、通常運転だからアホなんだね」
「こら!」
「で、何だっけ。なんでモテるか? ぼくだけモテてるとか知らないし、考えたこともないけど、そうだとしたら、当然顔以外に魅力があるんじゃないの」
「うぐ……」
「ぼくとフィルは違う人間なんだから、違うところがあっても仕方ないじゃない」
「仕方ねえけど! おれだけモテないのは理不尽だ!」
「だいたい、なんでそう思うのさ」
「ウィル! お前、ひっそりこっそり彼女がいるだろ!」
「いません」
「いるだろ!」
「いない」
「嘘つけ! じゃあ喫茶店のあの子は」
「友達だってば。何度も言ってるだろ。お前がモテないとしたら、原因はそのしつこさだよ」
「ぐっ……高度にメンタル抉りやがって……!」
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