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リュウ兄ちゃんにご教授賜ってみた!
「……」
「……」
「むむむ……」
「さっきからなんだ。何故二番隊にいる。部屋を間違えたのか」
「入隊希望っす」
「ほう」
「嘘だよ! 突っ込んでよ!」
「フローラから聞いたぞ。何でも、モテる秘訣とやらを聞いて回っているとか」
「おっ!? おう! 知ってんなら話が早い! そんなら早速秘訣を」
「その前にひとつ聞くが、お前は女性にモテてどうするつもりだ」
「え? そりゃ、ウィルを見返して」
「特定の誰かでなく、誰彼構わずモテれば良いか」
「そ、そうだな! 数打ちゃ当たるって言うし!」
「その場合でも、攻略は一人ずつ行え。その都度相手をよく観察しろ。相手の意を先回りして汲み取れるようになれば勝機は近い」
「え? え? なに? 経験者? リュウ兄ちゃん、実は女たらしなの?」
「お前の要望に合わせて、適切と思われる回答をしたまでだ。ここからが俺自身の考えになる」
「お、おう」
「俺は、業務上どうしても必要と感じた場合にのみ、以上の手で情報を聞き出すことがある。気は進まんが、その方が手っ取り早い場合もあるからな。だが、間違っても私生活ではやるなよ。最も、本命が定まればその気も失せるだろうが」
「それは……経験者?」
「ああ」
「つまり、モテるかモテないかの前に、相手を見つけるのが先ってこと?」
「そうだな。付け加えると、俺の場合は彼女の方が理解してくれている。その手を取らないと俺の命が危ないケースがあるならやむを得ないそうだ。とはいえ、俺も向こうが不快と感じるならすぐに止める用意がある。何度も言うが、本命がいるのに他の女を口説くのは性に合わん」
「とりあえず、リュウ兄ちゃんがなんでモテるのかはよく分かりました……!」
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