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レオンさんが返事をくれた!
「フィル君。こないだの件だけど、レオン君が返事くれたよ」
「マジか! なんだって?」
「えっとね。『特にモテようとしたことはないな。人に好かれようとか考えたこともない。でも、普段から小さなことでもコツコツ頑張っていれば、見ていてくれる人は必ずいるはずだよ。日頃の行いを大事にね』だって」
「真面目か……!」
「レオン君らしいね」
「じゃ、じゃあ! シェリーさんのことはどうやって落としたんだ!」
「シェリーちゃんは、最初はレオン君の顔じゃなくて、佇まいに惹かれたって言ってたよ」
「佇まい! ってことは、う、後ろ姿!?」
「シェリーちゃん曰くだけど、気品と力強さが両方備わってたって。あれはその場しのぎでは絶対に出せない空気だったって言ってた。で、いざ振り返ってみたら、本当に王子様みたいな顔してたわけで」
「……」
「フィル君?」
「いろんな人から……話を聞けば聞くほど……自分の望みの無さに絶望する……」
「大丈夫だよ。フィル君はフィル君でしょ? 変に気取らないところが、むしろ君のいいところだよ。かっこつけなくても、ありのままのフィル君を好きになってくれる人は必ずいるよ。もしそんな人に出会えたら、そのときにその人を大切にしてあげたら良いんじゃないかな」
「フローラ姉ちゃん……!」
「今はその日に備えて、目の前のことを頑張ろう。ね」
「……!」
「あ、わたしは駄目だよ。リュウ君がいるから。ごめんね」
「分かってたけどなんか複雑……!」
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