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「どうしたニャン?」
ミアアの問いかけに今度は顔を赤くするラットン。
「い、いや、なんでもない・・・それより、もう昼過ぎだ。夕方までにはこのボータポータ大草原の端の宿ポンペイトーレに着かないと・・・夜になると、この草原には良くない怪物が現れるという噂だしね?」
「えっ?! 良くない怪物って何なの?」
「うん・・・噂では草草骸骨という魑魅魍魎の類らしい・・・絶対に会いたくはないけどね?」
「うん・・・ぶるるるっ! 怖いニャン!」
ミアアはそう言うとラットンの足にしがみつき、そのおなかに顔をうずめたが───すぐに顔を上げ───
「ねぇ、ポンペイトーレの宿に着くのが夕方だとしたら・・・ずぅーーーっとバス停で待っていて夕方のバスに乗れば良かったんじゃないの?」
「いいや、バスのルートはさっき見かけたバス停を最後にY字路で右の方向に行ってしまう・・・僕たちが歩いてきたのは、Y字路の左側だよ?・・・ポンペイトーレの宿近くに行くバスのルートは無いんだよ!」
「そうなんだニャン!・・・じゃあ、夕方にならないうちに早く宿に着かないと!急ごうラットン君!」
ミアアはガバッと起き上がると、先陣を切って速足で歩き始めた。
「おいっ!ミアア! そんなに急ぐとまた途中でバテるぞ!」
「うにゃうにゃ~~、怖いのキライ、怖いのキライ!」
ミアアは頭の耳をふさぐように両手を当ててそのまま速足で歩いていく。
「しょうがないな~」
ラットンも急ぎ後を追う───
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