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夕食にカチオ節かけご飯は無く、ミアアが「うにゃうにゃうにゃあああーー!!」とラットンに食ってかかろうとしたが、代わりに奥さん特製の『とぴとぴ魚シチュー』を一口食べると「うにゃにゃー! 美味しいニャン!」とすぐにカチオ節かけご飯のことを忘れてしまい三杯もお替りをしてしまった。
「奥さん! ほっぺ落ちるニャン!」
ミアアが奥さんにそう言うと、
「あら、良かったわぁ、どんどんお替りしてね?・・・そうだ!ミアアさんはお魚が好きなようだから、明日の朝はケルケル魚のパイを作りましょうね?」
と答えたので、
「うにゃにゃ~~、ありがとうだニャン!!」
と上機嫌になった。
宿の奥さんの名はネステレアといい、主人と同じくちょっと不気味なところはあったが、何か妖艶なところもある獣人であった。
そんな二人のやりとりを見ていたラットンはパンをシチューに浸しながら、
(何だろう?・・・種族は違うけど、なにか妙に魅力的な女性だな?)
などと考えていた。
******
食事のあと、ミアアは奥さんのネステレアと、ラットンは主人のゴトホーンと食後の『コレコレカフェ』を飲みながらしばらく歓談していたが、すぐにミアアがお眠となり、ラットンはミアアを引きずるように「おやすみなさい」と主人と奥さんに言って、自分たちの部屋へと向かっていった───
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