第2話 旅立っちゃってるよね?ワタシたち

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******  ラットンは笹の葉のような小舟に乗っていた───  最初、船は川の流れに乗って静かに下っていったのだが・・・・・・やがて、急流にさしかかり、船は大きくローリングし始めた。 (うわっ! これはヤバイ! 船から落ちる!!) 『グラグラグラ』  船は大きくローリングし、ラットンは船の縁から川に投げ出されそうになる。  川の飛沫(しぶき)がかかり、ラットンは思わずクシャミをする。 「ヘッ、ヘックショーーーン!!」 「○△×$□!ね◇!ねぇ!起きてよ!ラットン君!」 「えっ??・・・あ、なんだ、ミアア、どうしたんだよ?」  ラットンは自分を揺さぶってローリングさせていたのはミアアだと知った。 「あ、あのさ・・・トイレ行きたいんだけど・・・一緒についてきて・・・くれる?」  暗闇の中で恥ずかしそうにミアアが言う。  今、彼女は窓から差し込む大小2つの月の青白い光でほのかに照らされていたが、その表情までは良く見えないくらいの明かりであった。 「え?トイレなら部屋を出て左側に行ってすぐのつきあたりだよ?」  ラットンはミアアに剥ぎ取られ、元に行ってしまった毛布をずるずると引き上げようとした。 「いやなの!・・・怖いの・・・魑魅魍魎(ちみもうりょう)が・・・」  うつむき加減でミアアがぼそぼそとつぶやく。 (むむむ!・・・ミアアは意外と怖がりだったっけ?・・・)  これ以上引き延ばすとミアアが『うにゃあああああーっ!!』と化猫になって自分にかみついてきそうな気がしたので───
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