第2話 旅立っちゃってるよね?ワタシたち

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「あら・・・?」  これは恐らく奥さんのネステレアの声。  部屋のドアがそっと開けられる。  ラットンはベッドの下で偽の寝息を立て、 「すーっ・・・すーっ・・・」 ミアアもそれに倣う。 「う、うっすーっ・・・うなっ・・・うっすぅーっ」  ミアアの妙な寝息にラットンは気が気ではなかったが─── 「ドアが閉まっていなかったけど・・・アラ、まぁ・・・一つのベッドで・・・フフッ、仲のいいこと」  ネステレアはドアをゆっくりと閉める。  そして廊下で、主人のゴトホーンに話かける。 「ねぇ、あなた。二人は良く寝ているようだけど・・・どうします?」 「・・・そうだな・・・モリの準備ができたら、また上がって来よう」 「そうね。私も包丁をもう少し研がないと・・・フフッ。二人は驚くでしょうね?」 「ああ、楽しみだ。ムフフ」 (!!・・・・!!・・・・!!)  嗚呼、じっとり脂汗のラットンとミアア。 『ガイコツ山羊族』夫婦の足音が階下に消えるのを確認して、ラットンとミアアはベッドの下から這い出て来た。 「うにゃにゃ、埃っぽいにゃ」  小声でぼやくミアアの口元にラットンは「静かに」の人差し指を当てる。 「さぁ! 脱出の準備だ!」これも小声でラットン。
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