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「え? 私たちが、あなたたちを食べるですって?」
ネステレアはキョトンとした声を出した。
「アッハハ! こいつは驚いた! アッハハハハ!」
モリを構えていたゴトホーンがいきなり笑い出した。
「だって!モリで寝ているところをズブリって!」
負けずにミアアが反論すると───
「おや! 私たちの会話を聞いていたのかい? おやおや!・・・モリで寝ているところをズブリというのは真夜中の漁でケルケル魚を捕ることを言ったんだよ?」
ゴトホーンが低いが優しい声で答えた。
「・・・え、じゃあ小さい方と大きい方というのは?」
続けてラットンが尋ねる。
「今、コントロン沼で確認できているケルケル魚は、大きい方と小さい方の二匹なんでね? そのことを言ったつもりだったんだが・・・君たちを食べるとは?・・・アッハハハハ!」
ゴトホーンは更に笑い転げていた。
キョトンとしていたミアアとラットンであったが───まもなく自分達が早とちりをしていたのでは?と思い始めた。
「それで・・・ね?・・・真夜中にする漁で珍しいので、あなたたちも誘おうと思ったのですよ?・・・どうですか? これから一緒に行ってみませんか?」
青い月の光の中でネステレアの声が優しく響く。
それでも、少し心配そうにミアアはラットンに耳打ちした。
「どうする? ラットン君?」
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