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「うーん。まぁ、話のつじつまが合うし・・・もし本当に僕たちをズブリなら、さっきベッドで寝ていたときを襲うだろうし・・・ここは折角のお誘いだから・・・行ってみよう!」
とラットン。
「うん・・・わかった。ラットン君がそう言うのなら」
ミアアにとってラットンはブレインなのである。
***
そして───ミアアとラットン、ゴトホーンとネステレアの四名(二匹と二頭?)は月明りの中、コントロン沼と呼ばれている少し小さめの沼のほとりに着いた。
「しかし・・・なんでまた、こんな真夜中に漁をするんですか?」
まだわずかに疑念が残っているラットンはゴトホーンに聞いた。
「フム・・いい質問だね・・実はケルケル魚は夜行性でね。そして夜でも月明りがあるときには水面近くに姿を現して、口からの水鉄砲で飛ぶホルホラ虫を落として餌にしているのだよ」
ゴトホーンは沼の魚の生態には詳しいようであった。
「しかし、釣り竿でなくモリというのは何故ですか?」ラットンは質問を続ける。
「奴らはホルホラ虫しか餌にしないようなんでね? つまり、釣り竿の餌自体が手に入らないんだよ」
「なるほど」納得するラットン。
「しかし、モリで捕ることも結構難しいことなんでね・・・そこで妻のネステレアに協力してもらっているのだよ」
そう言うゴトホーンの姿は何故か少し揺らいでいるように見えた。
「そうなの・・・で、漁を始めるにあたって・・・ちょっと、あなたたちお二人に協力してもらいたいのだけれど? よろしいかしら?」
青い月明りの中で『ガイコツ山羊族』のネステレアの影が妖しく揺れ動いていた───
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