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第2話 旅立っちゃってるよね?ワタシたち
地平線まで見渡す限り続くやわらかな新緑の大草原の中の一本道を、テクテクと歩いていく二人(二匹?)───
初めは大きい方が勢いよく先頭を歩いていたが、やがてその歩みはノロノロとなり、どちらかというと小さい方に先導される形となってしまっていた───
明るい曇りで強い日差しがあまり無いのは助かるのだが、それでもあまり風が無く、気温が高いので少々汗ばんでくるのであった。
「へぇ~~~疲れたニャ~」
ミアアがため息のような声を出す。
彼女の名は由緒正しき『クリスタルキャット一族:クリスタル・ねこタン:略してクリねこ』のミアア・ニャムタムである。
「まだ弱音を吐くのは早いよー、ミアア」
ミアアの数歩手前を歩く男の獣人がやや後ろを振り向きつつ答える。
彼の名は由緒正しき『コンペイトウ・ネズミ一族:略さないが・・・』のラットン・チューピーである。
付け加えるなら、彼の背丈はミアアの半分を少し超える1.11メルトル(約1.00m)であるが・・・
「そもそも・・・君が『大草原うねくねバス』の出発時刻を間違えたのが原因なんだけどね・・・」
ラットンは前を向きつつ、やや独り言のようにつぶやいたが───どうやら、ミアアの耳に届いてしまったようで───
「ウニャア!! ラットン君だって、私の言うこと鵜呑みにして自分で確認しなかったニャン!!」
ミアアは少し怒り気味に両手の爪をむき出してきた。
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