あの日隠されて

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1.幼かった子供の頃 社(やしろ)で出会った 神隠しに 舞い踊る木の葉が 私を隠して 導いた 裏社(うらやしろ)に 裏社(うらやしろ)から 聞こえた声追いかけ 出会ったあの子は 子狐の獣人 「友達になってよ」 その言葉へ 手を取り答える 暮れぬ夕日を 頬に染め合い 二人は遊ぶ 大人達真似した ままごと遊びで 二人は誓う 婚姻の契り 2.暮れぬはずの夕日沈み 友達になった 二人分かつ 木枯らしに飲まれて 現世へ戻された 闇に立つ社(やしろ)の元へ 別れる間際 あの子の声聞こえた 涙を堪えた あの子の叫び声 「また会おう必ず」 その言葉に うなずき誓った 月日が経ち 大人になっても 一人で探す あのときの約束 守りたいから あの子の笑顔 また見るために 3.出会いくれたあの社(やしろ)に 再び訪れ 祈る私 そしてまた木の葉は 私を隠した 裏社(うらやしろ)求めた場所に あの子を探す 約束果たすために その時後ろで 懐かしい声がした 「待ってたよおかえり」 その言葉の 主(あるじ)はあの子で 稲荷神(いなりしん)へと 育ったあなたと 再び誓う 真似事とは違う 婚姻の契り 同じ人生(みち)行く 二人の門出(かどで)
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