1/1
前へ
/1ページ
次へ

鏡に映った目と目が合わない 死んだ魚のように横を見て動かない目 めんたまに映る薄い光は こっちの目なのか あっちの目なのか 光が目と目を吸い寄せた 沈黙の目の無言の会話 私は背筋がぞぞぞっとしたのを覚えた このままでは鏡の中に引き寄せられてしまうと いやいやいやいや 死ぬのいや 私は何本もの薄い光の筋を 絶ちきって 夢中で薄い光から放れようとした けれど、光は後から後から降ってきて 容赦なく追っかけて来る ああ、ダメだ ダメなんだな どんなに頑張っても 死からは逃れられないのだな 生き物は
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加