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 寝癖を面倒くさそうな顔で直している弟を突き飛ばし、わたしはわたしを見つめた。  ——そういうことだったのか。  運命というのは辻褄合わせをする。  いつ見てもひどい顔だった。この顔で笑ったわたしを想像しただけで、身をちぎってゴミ箱に捨ててしまいたい。いつからそうなったのか、なぜそうなったのか、意味不明な出来事が今一つの線となってわたしに沁みこむ。  ご都合主義は好きではない。けど、これはじゃあどう説明すればいいのだろうかとなれば、つまりそういうことなのだろう。 「お姉ちゃん……?」  弟の怯える声に一つ謝罪をいれてから、何もなかったように踵を返す。  わたしの運命の代償がこの顔ならば安いのではないか。  こんな割り切りができるのも、昨日の熱の帯びた感情にあてられたからなのかもしれない。きっと人はこうやって大切なものを一つ一つ確認しながら、大事に自分の引き出しにしまっていくのだろう。あの憂鬱は嘘のように振り払われ、今までにはなかった希望を胸に提げる。  でも、日常というまやかしは変化という二文字を溶かす。  階段を上ろうと足をそちらに向けたとき、思わずあっと声を上げてしまう。
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