必要な物

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上司の話題は無茶振りをされる、仕事ではなくてとか、娘自慢をされる、褒めないと機嫌悪くなるとか、平和な話が続いてわいわい言いながら笑って話していた。 「あ、俺の直属じゃないけど田畑さんて加藤さんの彼氏だよね?付き合ってどの位?2か月位?」 (何で?) そう思ったのは付き合って一年以上経つからで、周りにも内緒にはしてなくて当然、知っていると思っていたからだ。 (何処から2か月って出たんだろ?) と考えていると伊藤が答えてくれる。 「加藤さん田畑主任とは一年以上になるわよ?田畑の猛烈アプローチでね?」 「えっ?そうなの?俺、全然知らなかった。」 「ねぇ、田畑さんて仕事してる時どんな感じ?」 ちょっとした興味で部署が違うから、仕事をしている姿を見る事はなかったから聞きたくなった。 「あー、どうかな?普通じゃない?仕事関係はよくわかんないわ。」 と言われてそう、と返事をしながらも急に歯切れの悪くなった声に不思議顔を向けていた。 「ね?それよりさ、話題変えよう?あ、新しい部署出来るって聞いたけど情報ある人ー!」 話題が変わっても2か月が頭に浮かび、思わずそれを口にした人の画面を一点に見つめて言葉を発した。 「ね、どうして付き合って2か月って思ったの?教えて!」 わいわいとしていた話が急に止まり静かになった。 「えっ?えっと…それはぁ、「いいじゃない。知らなかったんでしょ?同期で恋愛の話は止めようよ。」 話題を切り替えた橋本(はしもと)京子(きょうこ)が声を遮って話し始めた。 「個人の恋愛の話聞いてもさ…ね?私、新部署異動されそうなの。誰が集められるか知りたいのよ。ね?お願い!」 困った顔で祈られて、男性から新部署メンバー確定の話は聞いてないよと会話がまた始まった。 床の上に置いていたスマホがピコンと鳴り、もしや真ちゃんかと、ドキッとして座ったままで床の上の画面を触ると、菜々からのメールでそのまま目だけを落として見た。 ーーーーーー 『2か月ってね、去年のクリスマス前に会社でお店の予約をしてたらしい。雑誌とか見たり回りの人に聞いたりしてね。それからも何度か女性と歩いて食事しに店に入るのを見かけたらしいわ。まぁ、食事の店だから取引先の人だと思うし。』 ーーーーーー (まぁね?取引先にも女性はいるし…。) と言い聞かせる。
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