お誕生日なのにおこられた!

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「とりあえず見つかってよかったね。きれいになったし」  ママがわたしの部屋をのぞきながら言う。おこられなかったおどろきと、ほめられたうれしさで顔が変になりそうだったから、目と口にきゅっと力を入れた。 「お、終わったか。おつかれ」  パパがリビングから顔をのぞかせる。 「そういえば、パパの洗たく物が混ざってたよ」  グレーのハンカチを差し出す。 「リカの部屋にあったのか」  パパは賞状をもらうときみたいに、両手でハンカチを受け取った。  その顔は、なぜだかママに似ているような気がした。おかしいな。ママとパパは血がつながっていないのに。
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