頭痛

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頭痛

「こ、心当たりは…⁉︎」 「それが…全く… 昨夜も出かける予定なんて聞いて無いし… 今、管理人さんの所へ伺ったんだけど… そちらにも訪ねてなかったらしいんだよ。」 「心配ですね… と、とにかく…ゴルド叔父様に相談してみましょう… 人手がいるようならうちの父にも…」 「ゴメンよ…迷惑をかけてしまって…」 こうして二人は魔界…ジュエラ王宮へと向かった… 「まだ朝早いから… 皆さんおやすみでしょうか…⁉︎」 「そうかもしれないね…でも…緊急事態だからね。 ダイニングフロアに誰かいたら取り次いで貰おう…」 二人はダイニングフロアのドアを開けた… 「あっ…⁉︎」 「まあ…⁉︎」 「あっ…⁉︎ ダーリン…それに…ナギも…⁉︎」 「あっ!!パパだ…!!」 「リル…おしょくじちゅうにたちあがっちゃダメよ!!」 そこにはテーブルに着いて食事をしているプラティナと子供達の姿があった… 「ティナ…一体どうしたんだい…⁉︎ 心配になってあちこち探したよ…」 「ゴメンなさい…あなた… 本当はあなたを起こしてお願いしようと思ったんだけど… 私もガマン出来なくて…」 「ガマン…⁉︎一体何かあったんだい?」 その時、テーブルからピョンと降りたミスが優也の元へと駆け出して彼の足元を抱きしめた。 「…パパ…ゴメンなさい…わたしがママに… うううう…」 ミスは大粒の涙をポロポロと流した… 「ああ…ミス…泣かなくてもいいんだよ… 一体…何があったのか… パパに教えてくれないかい?」 優也の言葉にミスは黙って頷いた… そして涙を堪えて呼吸を整えてからゆっくりと話し出した… 「ミスがねてたらね…ヒック!! きゅうにあたまがいたくなってきて…ヒック!! ガマンできなくなって…おふとんからでたの… そしたらね…ヒック!! リルもおなじようにおきてきて…」 「そうだよ!!パパ…ぼくもおねえちゃんも あたまがいたくなって…パパとママのところへ いったんだ…」 「頭が…⁉︎」 「そうなの…」 プラティナが困ったような表情で話し始めた… 「私も同じように頭が痛くなって…ガマン出来なくなってあなたを起こそうと思ったんだけど… すごく気持ち良さそうにお休みになっていたから… とりあえず私達だけ王宮で休もうって思ったの… そして夜が明けたらお医者様にご相談するつもりで…」 「そうだったのか…そんな事が… ゴメンよ…気づいてあげられなくて…」 「ううん…あなたは何も悪く無いわ… ただ…不思議な事に… 部屋を出てからは何ともないの…」 「部屋を出たら…頭痛が治ったんだね…⁉︎」 「ええ…でも…不思議なの… 全く心当たりが無いのよ… いつもと同じように明日のお料理の下拵(したごしら)えをして… あなたと一緒に休ませて貰っただけなのよ… それなのに…」 「そうだね…君がガスの元栓を閉め忘れたりする筈は無いし… 第一にそれなら警報器が鳴ってきっと僕も飛び起きてるだろうしね…」 「そうね…あら…⁉︎」
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