適任者

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何かに気付いたプラティナは目を大きく見開いた… 「ナギ…どうして…こんな朝早くに…」 「ああ…ナギさんは僕の誕生日にみんなの分のサンドウィッチを作って持って来て下さったんだ…」 「まあ…そうだったの… ゴメンなさいね… こんな事に巻き込んでしまって…」 「い、いえ…でも良かったわ… あなたも…ミスちゃんやリル君も 今は頭痛も治っているのでしょう…⁉︎」 「ええ…でも…気味が悪いわ… せめて原因だけでも…!! ちょっと待って!! ナギ…部屋に訪ねて来たのよね…? 頭は痛くならなかったの…⁉︎」 「わ、私…⁉︎ うーん…特には…!! そう言えば… 少しだけ変な匂いがしたような気がしたけど…」 「変な…匂い…⁉︎」 「と、取り敢えず… 僕はもう一度部屋に戻って調べてみるよ… ティナ…君は子供達と王宮で待ってて欲しい…」 「じゃ、じゃあ…私が優也さんをお送りしますわ… 私は体調が悪くならないのが分かっているから…」 「…ゴメンね…でも君も体調が悪くなるようなら 僕に構わずにすぐ魔界へ避難してね…」 「ええ…分かりました…」 「おおい!!!待ってくれ!!!」 聞き覚えのある声に振り向いた僕達の目に飛び込んできた人物は… 僕のお義父さんで…ティナのお父上… そして泣く子も黙る魔界の王… その名もゴルド大魔王… なのだが… 「じいじ〜!!!」 「おお!!リル君!!ミスちゃんも!! よく来たね〜!!ゆっくりしていくんだよぉ〜!! ハッハッハッハッハッ…」 孫達にデレデレのおじいちゃんでもある…… 「おお…婿殿!!大変じゃったの… お主は大丈夫なのか⁉︎ 何ならこっちで少しゆっくりしてから…」 「お早う御座います…お義父さん… 僕は大丈夫ですから…一旦部屋に戻って原因を突き止めようかと思っています…」 「そうか… 今、医者を手配したからティナ達の食事が終わる頃に診てもらうつもりじゃ… それより… ワシも部屋にお邪魔しても良いかな…⁉︎」 「はい…構いませんが… お義父さんまで具合が悪くなられたら…」 「なあに…老いぼれてはおるがまだまだ若い者には負けんように鍛えておるぞ!! それに具合が悪くなったらお主らを連れてすぐにこっちに戻ってくるようにする… 仮にも現在ティナはジュエラの国王職… そして…ミスちゃんとリル君は姫と王子じゃ… 魔界の者の仕業ということもある… 一応は調べておかんとイカン… じゃが… 危険な場所に他の者を向かわせるよりも 隠居の身のワシが適任者だと思ってな…」 「分かりました… でも…異変を感じたらすぐに仰ってくださいよ…」 「ああ…分かった、分かった!!」 ゴルドは笑いながら二、三度頷いた。
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