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一安心
パァァァァァ…
優也は羨望の眼差しでゴルドを見つめる…
やっぱりお義父さんは凄い人だ…
人間だって魔法使いだってきっと自分が生まれてから今に至るまでの慣例や常識というものに捉われがちだと思うけど…
今まで自分達と仲を違って来た僕達…
人間をもう一度温かい目で見ようとしておられる…
こんなスケールの大きな人に育てられたから…ティナはあんなに優しくて素敵な女性になったんだろうな…
優也はゴルドに向かって頭を下げる…
「分かりました…お義父さん…
僕が間違ってました…」
「いやいや…そんなかしこまれるとワシも困ってしまうが…」
その時…ジュエラ王宮付きの主治医がゴルドの側に瞬間移動して来た…
「ゴルド様…」
「おお…先生か…ティナや子供達はどうじゃった…⁉︎」
「はい…かなり詳しく検査をしましたがどこにも異常は見られませんでした。」
「先生…あの時はどうも…」
優也は主治医の医師に向かって会釈した。
「おお…何時ぞやは…」
ナギも医師の前に出て大きくお辞儀をした。
「先生…私は意識が朦朧としてあまり覚えてはいないのですが…あの時は大変お世話になりました…」
「おお…ナギ王女様もいらっしゃいましたか…
その後…お体にお変わりはございませんか…⁉︎」
「ありがとうございます…
お陰様で以前よりも元気な位ですわ…」
「それは何よりです…」
「何じゃ…お主達…面識があったのか…」
「はい…お義父さん…
以前にエメラルダの森で…」
「ああ…確か…ムラサメ王子が先生を…
先生はソーディアの…そしてワシとマサムネの主治医でもあるからな…
そうじゃ!!先生…一つ頼みがあるんじゃが…」
「いかがなされました…⁉︎ ゴルド様…」
「これを調べて頂きたいのじゃよ…」
ゴルドは優也から渡されたビニールバッグを医師に見せた…
「何ですかな…これは…⁉︎」
「婿殿によると人間界の食べ物で…コレが今回の騒動の原因らしいのじゃ…匂いにやられんように二重の容器に密閉しておる…」
「成程…では私の知り合いに基礎医療魔法の権威がおりますので…早速、彼の研究室で調べてもらうことにしましょう…」
「うむ…宜しく頼む…」
「先生…もう一つ不思議な事が…⁉︎
僕はともかく…ナギさんには何の影響も無いのです…
それが今回の事と関係あるかどうかは分かりませんが…」
「分かりました…それも彼に伝えておきましょう…」
医師は急いで刻んだらっきょうのサンプルを調べに瞬間移動して行った…
「さあ…ダーリン…検査の結果が出るまで私達はどうすることも出来ないわ…
だからお茶でも飲んでゆっくりしましょう…
二人共、朝食はまだよね…?」
「そうだね…ナギさんも一緒にどうかな…⁉︎
「あ、優也さん…サンドウィッチがありますよ…」
「じゃあ…遠慮なく頂こうかな…少し安心したのかな…お腹が空いてきたよ…」
「まあ…ダーリンったら…ウフフ…」
「アハハハハ…」
「ウフフフフ…」
微笑みあう三人がこの時…まだまだ…らっきょうの呪いに翻弄されるとは思ってもみなかった…
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