父ちゃんと僕

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1.初めての顔見て 泣いてる僕を あやした父ちゃん 頭を撫でた大きな手に 僕はおもわず笑っていた それから父ちゃん教えてくれた 木の実の取り方 獲物の捕らえ方 森で生き抜くための術(すべ) 教えたことが出来た時 褒めてくれるのが好きだった 二人一緒の森暮らし その日その日を噛み締めて 眠り見る夢 幸せでした 2.子供から大人へ 育った僕に はにかむ父ちゃん 成長認めかけた声が 僕にはとても嬉しかった その時父ちゃんくれたんだ 木の実を取るのも 獲物を捕らえるのも 出来るようになった証(あかし)を 大人の証手にしたら 思わず父ちゃん抱きしめた 大人になったその夜に 父ちゃんとしたあの宴 今もはっきり 覚えているよ 3.森の中初めて 出会った人間(ヒト)に 戸惑う父ちゃん 初めて見た同じ姿に 僕も戸惑い困惑した この時人間(ヒト)は教えてくれた 父ちゃんと僕は 異なる生き物だと 同じ血の親子じゃないと 「人間(ヒト)の世界に行かないか」 人間(ヒト)の誘いに迷う僕 その姿見た父ちゃんが 僕の元から去って行く 予期せぬ別れに 一人で泣いた 4.人間(ヒト)の世で馴染めず 苦しい僕は ハッキリと決めた あの森で一生過ごす そして父ちゃんにまた会うと こうして僕は森に帰って 父ちゃんを探し 森中駆け回った 身体が傷付くの厭わず そしてその時訪れた 父ちゃんにまた出会う時 涙流した父ちゃんと 僕は互いに抱き合った もう離れないよ 大切な父ちゃん(ヒト)
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