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図書委員会所属です!
新しい朝が来た。希望の朝だ!
朝は寝起きが良い方だ。多少前後するが大体六時に目が覚める。まあ学校開くの七時半だし登校時間は八時頃でいいんだけど。
窓を開けてまだ涼しい風を浴びる。早朝の爽やかな空気が好きでついつい土日ですら同じ時間に起きてしまう。窓の外では運動部だろうか、友達六人で早朝ランニングをしている生徒を見かけた。
「あ、辻浦じゃん」
ランニング集団の中に見知った顔を見つける。奴も早起き仲間らしい。三階の窓から見下ろして、辻浦たちが走り抜けるのをひっそりと見守った。
そのあとは洗濯機を回して、その間にお弁当の用意と朝ご飯の支度をする。六時十五分に予約していた炊飯器が「炊き上がりました」とアナウンスをしたので、ご飯を手早く混ぜ弁当箱に詰めて少し冷ましておく。
レーズンパン(絢瀬一推しの品、超美味い)を焦がさないように時間設定をしてレンジへ。ちょい焦げ、を少し気にしてお料理レシピアプリを片手に丁寧に卵焼きを焼く。うん、中が少し焦げたけど渾身の出来だ。嬉しいことにパンも無事に狐色に焼き上がった。
流れ作業でフライパンにベーコンを並べ焼き、その上に卵を落とす。ベーコンエッグである。イギリスの朝食の定番だとか。ベーコンの塩気が結構あるから目玉焼きの時の話だが、オレは塩胡椒派で藤宮は醤油、絢瀬はケチャップ。ケチャップは邪道な気がするが絢瀬とは山か里でも戦争したので平和に生きたい。
そんなこんなで朝食の準備と弁当の用意が終わるとサラダを盛り付けてから綾瀬の部屋の前へ。
「絢瀬、起きろー!朝飯できたぞ!」
絢瀬の寝起きはまあまあ悪い方なので一発では起きない。ドアを数回叩いた後洗濯機から衣服を取り出し干し始める。
朝食の準備と同時につけたテレビから今日の天気は晴れだと告げるお姉さんの声が聞こえた。確かによく洗濯物が乾きそうな気候だ。
ちなみに今干しているのはオレの下着や私服、バスタオルやらの安物で、絢瀬の衣類は大抵バカ高いブランド物なのでクリーニングに出している。流石にウン万円のシャツを洗いたくはない。
再び絢瀬の部屋の前へ。今度は強めにノックをする。中からぐずり声をあげているが飯が冷める。
「絢瀬起きろ!!お前が食いたいって言ったレーズンパン冷めるぞ!」
「ん〜、わふぁってるはら、ぉっとまって…」
「顔洗って来いよ!」
絢瀬が起きる音がしたので隣の自分の部屋に戻る。部屋着 (パジャマ)を脱いで制服に着替える。
うーん!相変わらず白さが眩しい制服だ!ジャケットは汚すと怖いのでソファーに置いておく。
「あきくん…早い。今まだ六時じゃん…」
「時計ちゃんと見て〜もうすぐ七時だよ」
「まだ寝れるって」
「朝はゆっくり準備したほうが絶対いいから」
本当に、朝はゆっくりできた方が心に余裕が生まれていいと思う。あと忘れてた課題をやったりとかね!
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