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「…お前だけが」
ジョシュアの低くて甘い声が耳元で溶けて、強すぎる快感が身体の奥深くから次々と弾けた。喜びで芯がわななき、離れないように締め付ける。
ジョシュアが俺を求めている。俺だけを。
待ち焦がれていたのに、与えられたものが大きすぎて受け止めきれない。とめどない快感の濁流に飲み込まれて我を忘れる。忘我の極み。
「…ジョ、シュア、…ジョシュアっ」
喘ぎながらジョシュアに縋る。
時間も空間も超えて、ジョシュアだけが全てで、ジョシュアと繋がっているところだけが自分で、自分の中にジョシュアがいる。
今なら。
自分が柊羽を含めてジョシュアに丸ごと惹かれているように、ジョシュアも前世での輝を含めて自分を必要としているのだと信じられる。ジョシュアの中に柊羽の記憶がどのくらい残っているのか、残っていないのかは分からないが、母親の仇である人間を許し、融合を図り、自分に手を差し伸べてくれるのは柊羽の魂だろうと分かる。
ジョシュアが好きだ。
何者でも。どこにいても。どんな姿でも。
それを伝えたかったけれど、境目がわからないくらいジョシュアと繋がって、舌も腕も足も絡まり合って、何もかもをさらけ出して委ねて溶け合って蕩け合って恍惚に喘いでいる状態では、言葉にするのは難しかった。
ただ。
触れ合う全て、溶け合う全てから、注ぎ込まれる全てから、ジョシュアの想いが伝わってきて、自分も同じように伝えられていたらいいと思った。
緑為す樹海の果て。
密やかな木漏れ日と泉のせせらぎ、吹き抜ける新緑の風だけが、何度も何度もどこまでも一つに溶けあう俺たちを見ていた。
「な、…⁉」
ジョシュアに穿たれて強過ぎる快感に意識を飛ばして、また連れ戻されて、もう無理って思うのに限界を超えて、数えきれないくらい昇り詰めた後、気が付いたらジョシュアに抱かれて泉で洗われていた。
一糸纏わぬ姿で。…まだ。繋がったまま。
なんつー恥ずかしいことを⁉ これって所謂、風呂プレイっ⁉
猛然と抗議しようとしたのに、喘がされ過ぎて声は出ねえわ、身体中がたがたで1ミリも力が入らないわ、身じろぎしたら快感が立ち昇ってきてこの期に及んで心地よさに揺られるわ。何とも言えない羞恥に顔のみならず身体中赤く染まり、気づいたジョシュアがちょっと面白そうに口の端を上げて、
「…ほら」
上方にある湧水口から湧き出たばかりの水をすくうと、膝に抱いた俺の髪に手を差し入れて頤を上向かせ、清らかな水を俺に注いだ。唇で。
クソ。潤う。
火照った熱に包まれた身体が中からも外からも冷まされて、敏感に震える肌にこの上なく心地良さを感じる。
「…もっと」
ジョシュアはくすくす笑って俺を巧みに揺らすと、また甘い舌で注いでくれた。
完全に遊ばれている気がしなくもないけれど、極上の快楽に抵抗できない。
考えてみれば。
俺はオムツの世話までしてやった柊羽に喘がされているわけで。そう思うと、微妙な背徳感に襲われるような、一方通行だと思ってた愛情が返ってきた喜びに沸くような、悶えるような感情を持て余す。けど。その意味じゃこいつだって俺にケツの穴の状態まで知られているわけだから。
お互いに。こんな恥ずかしい姿は誰にも晒せないと思うような姿態をさらけ出しているわけで。やっぱりこいつは俺にとって唯一無二の存在なんだと思う。
こんなこと、他の誰ともできない。
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