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「私は美咲、昇の彼女だけど…あなたは?」
「優と申します」
「名前だけじゃなくて!あなたは昇とどういう関係か聞いてんの!」
「・・・・・・・」
優さんは何も答えずチラチラと昇の顔を見ている。
昇は唇の色が肌に溶け込む位の顔色で、目は虚ろにテーブルだけを見つめていた。
「あ~っ!じゃあもういい!昇、このおんなと私、どっちが彼女?どっちが先?あなたが答えなさい!」
「付き合いだしたのは同じ位、どちらが…とは今は言えない」
昇は少し投げ槍に、責められる事を承知としか思えない言葉を発した。
それからは美咲が一方的に昇を責めている。その言葉の中に優さんを侮辱した言葉が入っていた。
「紗耶香様、そろそろこのへんで次に行った方が…」
雲流に促されて我に返った。私は美咲の勢いに圧倒され、シナリオを忘れかけていた。
「そうだった!ここで導きの術を使うんだっっ…」と私が雲流に答えていた時…。
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