シナリオ開始

5/9
前へ
/22ページ
次へ
「私は美咲、昇の彼女だけど…あなたは?」 「優と申します」 「名前だけじゃなくて!あなたは昇とどういう関係か聞いてんの!」 「・・・・・・・」 優さんは何も答えずチラチラと昇の顔を見ている。 昇は唇の色が肌に溶け込む位の顔色で、目は虚ろにテーブルだけを見つめていた。 「あ~っ!じゃあもういい!昇、このおんなと私、どっちが彼女?どっちが先?あなたが答えなさい!」 「付き合いだしたのは同じ位、どちらが…とは今は言えない」 昇は少し投げ槍に、責められる事を承知としか思えない言葉を発した。 それからは美咲が一方的に昇を責めている。その言葉の中に優さんを侮辱した言葉が入っていた。 「紗耶香様、そろそろこのへんで次に行った方が…」 雲流に促されて我に返った。私は美咲の勢いに圧倒され、シナリオを忘れかけていた。 「そうだった!ここで導きの術を使うんだっっ…」と私が雲流に答えていた時…。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加