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「あの…美咲さん。美咲さんは昇さんの本当に好きな人が誰なのかわかりますか?」
「はっ?なによ!私だとでも言いたいの?」
「違います。私は昇さんの事を愛しています。だからわかるんです。昇さんが本当に好きな人は誰なのか」
「あ~っ!まどろっこし!はっきり言いなさいよ!」
美咲はイライラを抑え切れず指でテーブルをトントン叩いている。
「紗耶香さんです」
美咲の指が止まった。
テーブルを見つめる昇の目が見開き優さんを見た。
そして私も流れているはずのない血が渦を巻いて頭に登って来たのがわかった。
「紗耶香様、早く!」
雲流に急かされた。
「う、うん」
私は教えの通り目を閉じ一瞬だけ美咲の体に入り、美咲の視線を動かした。
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