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「昇さん、どうして美咲さんはあれを見て出て行ったの?」
優さんは大事そうにノートを胸に抱えたまま昇の顔を見上げた。
「俺の部屋にある物と同じ、美咲はあの花の意味を紗耶香から聞いていたんだろう」
「永遠に枯れないから…でしょ?私、この花貰った時凄く嬉しかった」
その言葉で昇は決心をした様だった。
「優、そのノート届けに行こうか…紗耶香に…」
私はもうここに居てはいけないんだと悟った。
試験のシナリオは終了した。
「雲流!…あれっいない…。そうだ美咲の所に行ってるんだった」
「お、お待たせしました!バッチリです!」
暫くして、雲流が戻って来た。
「そっ!じゃっ帰ろっか!天の国に」
「はいっ!お疲れ様でした」
「しゅっぱ~つ!」
「はいさっ!」
雲流の返事で浮かびあがった。
私は東京に、そして昇に別れを告げた。
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