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「では、雲流、紗耶香を宜しく」
「かしこまりました。紗耶香様、お時間です、お乗り下さい。」
「ありがとう!では雲流、しゅっば~つ!」
私は右手と声を高らかに上げた。
雲流は咳払いをひとつした後、
「では、ここから試験は始まっています。どちらにお運びいたしますか?」
(なんだ?この温度差は?)
「東京都◯◯区◯◯町◯丁目◯◯◯マンション◯◯◯号室迄お願いします」気を引き締めて行き先を告げた。
「はいさっ!」
雲流の返事とともに出発だ。
小さい頃読んだ話しの中のきんと雲を思い出した。今私はその雲と同じ様な形の、雲流と言う名の雲に乗って東京に向かっている。
雲の中を通り下界へ降りる途中、天女様からの課題を思い出していた。
「紗耶香、今迄の教えを守り下界に因果応報の意味を教えて来なさい。善をした者は報われ、悪には悪が帰って来ると…。どちらでも構いません」
私 は後者を選んだ。
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