足跡のレゾンデートル《存在意義》

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足跡のレゾンデートル《存在意義》

ある旅人のオーバーを脱がそうと、風と太陽が賭けをして、まず風がオーバーを脱がそうと風を吹かせたが旅人はしっかりとオーバーを持って離さない。  太陽の番となり、雲から顔を出すと、旅人は気候が良くなったのでオーバーを脱いでしまった。  高層ビル三十階にあるステーキハウスは阿鼻叫喚の地獄と化していた。  殺害されてたのは総理、官房長官を含めた五人の若手議員たち、そして従業員とSP、現場には奇妙な獣の足跡があった。  ゴリラと豹、そして二メートルほどのヤモリ。  三頭は互いに争った形跡もなし、おもに総理たちを襲ったのはゴリラで、SPは全員、豹に喉笛を食いちぎられていた。  そして不思議なことにステーキハウスの窓から出入りしたのは巨大ヤモリ一頭のみ、ゴリラと豹の足跡は魔法のごとく消えていた。  
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