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次の日に、警察がうちに来た。
男の名前が告げられた時、すっごく母はうろたえてたよ。「何かやったんですか?」って。えぇ 正確には「やられました」だけど。
「娘さんのものと見られる靴の足あとが見つかったのですが・・・」ってくだりになった時は、父も妹も二階から降りてきてて、私は母の隣に立ってた。
特に驚かなかったよ。だってこうなることは分かってたから。
でも凄くない?DNAとか血痕とかじゃなくて足あとだよ足あと!国民全員の靴データベース化してるんですかって!!
もちろん見せたよ。男の家の床についてた足あととピッタンコ。ついでにこれもどうぞーって、絞めたコードも渡してやった。警察もギョッとしてたし、何より母も父も妹はこれまでにない放心状態。人間って極限までいくと言葉も出なくなるんだね。
私はその場で現行犯逮捕。
手錠かけられてパトカー乗った時は、近所のギャラリーがすごかったよ。
捕まりたくなかった?全然。
捕まろうが捕まらろうが変わらないじゃん。
「みんなが嫌いな男を私が殺した」
ってことに。
手錠は勲章 パトカーはVIP向けのタクシーだよ。いわば。
ただね。
パトカーに乗って見渡した人 みんな怖がってたなー。私のこと。
完全に犯罪者に向ける顔だった。
あなたたちが出来なかったことを私がやってあげたのに、その態度かよって
ちょっとムカついたわ。
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