旅路

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夜が明ける。結局興奮して眠れずに歩き続けた。 興奮して疲労がマヒしてきている。 方角はどちらだろう、なるべく東、東に行きたい。 一番東にたどり着いたなら一番西に行きたい。 ここはどこだろう、携帯もないから現在の位置さえ分からない。 いや、もういい。本当のところ行きたいところなんてないのだから。 現在の場所なんてどうでもいい。ちょっとしたら慣れて、ありもしない「ここじゃないどこか」を探しだすんだから。「ここじゃないどこか」なんて満足することを知らない駄々っ子の戯言だ。そしていつまでたっても俺は駄々っ子のままだ。馬鹿らしい。腹が減った。 何をしていてもしなくても腹が減るという現実に今更ながら驚く。 もう少し歩けばコンビニがあるはず、そんな辺鄙なところではないはず。
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