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「はぁ………もう!少しだけですからね」
少しだけと王子の傍に行く。
何であれ、仕事をやる気になった王子の
すぐ横に立って横から眺めていようとしたら
手を思い切り引っ張られ重心を崩す。
「な……ちょっ//////」
「ん、どうかした?」
どうかしたじゃないよ、何よこの体制!
手を引っ張られ重心を崩した私は
そのまま王子の膝の上に
抱えられてしまった。
離れようにも後ろから
がっちりホールドされて動けない。
「僕がほんの少しの時間だけで
君を帰すと思った?」
「いい加減にしてください、王子!」
「はははっ、怒った顔も可愛い」
馬鹿にしてる?
王子が何考えてるのかわからない。
初めはこんなじゃなかったのに。
5年前、当時10歳だった
王子は誰よりも冷静で大人しかった。
冷たいとさえ思ってしまうほど無感情で。
接していくうちに段々心を
開いてくれるようになったけど、
それでもあまり感情を表に出さない子だった。
今とは全く違う。
この5年間に何があった。
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