第3ミッション嫁に下さい。

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 青空の澄んだ下、遠く広がるカルスト台地にマットを広げアケビさんの手作り弁当が並んだ。 「皆んなで、こうやって外でお弁当を食べるって何年ぶりかしら……  健二が小学生の時、町内会でピクニックに行って以来だよね、お父さん。」 「そうだな、ワシも仕事で忙しいかったからな……たまには良いな、しかし、美味しいなぁ、アケビさんのお弁当は。」 「お父さん!私は明美です。  次は3回目でレッドカードで退場です。」 「わっ、すまなかった!アケ、明美さん」 「ワッハハハッ」  皆んなの笑い声が山に響き渡った。 「嘘ですよ。  お父さんもアケビで構いません。  だって、カトケンさんと一緒くらいお父さんとお母さんが大好きだから…  お父さん、お母さん、わ、私を加藤家の娘に入れて下さい。  カトケンさんとの、け、結婚を許して下さい。」 突然のアケビさんの第3ミッションの突破の瞬間だった。  母さんは涙を流しながら…… 「健二の相手はアケビさんしかいないわ! あっ、またアケビさんって言っちゃった!」 「ワシも大賛成だ!健二にはもったいない話だ!  ワシが代わりに立候補したいくらいだ。」 「カトケンさん、やった! お父さん、お母さん、本当に認めてくれるんですか?」 「もちろんだよ!」 「父さん、母さんありがとう。  僕はアケビさんを絶対に幸せにするから!」 「アケビさんを泣かせたら、ワシが許さんぞ!」 「お父さん、大丈夫よ。  どう見ても、アケビさんの方が主導権を持ってるから、きっと2人は上手くやっていけるはずよ。」  僕達4人は手を繋ぎ合い天高く青空の下、皆んなでバンザイをした。
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