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アケビさんの手作り料理と似てる。
いやっ、アケビさん以上だ。
僕は思わず聞いてみた。
「アケビさんはワラビお母さんから料理を習ったんですか?」
「ワラビ?」「ワラビ?」「ワラビ?」
ヤバい、やっぱり間違えた……
「健二さん、私の事、ワラビだなんて…ワッハハハハッ私は輪奈美ですよ。
それにさっきから聞いていたら、明美の事をアケビだなんて!もう笑い過ぎてお腹が痛いわ!」
「じゃ、俺はツクシだからこの家庭は山菜家庭ですね!お互いの苗字もそれっぽいし、もう笑いが止まりません!ワッハハハハッ」
険悪な雰囲気だったアケビさんの顔も少しニヤけた気がした。
突然、お父さんが立ち上がって主導権を取った。
「健二さん、歌は歌われますか?
良かったら、カラオケが有るんで皆んなでカラオケ大会でもしませんか?」
「ぼ、僕は人前では歌なんか歌った事がありませんし……」
うつむいていたアケビさんが隣の部屋を覗いた。
「あっ、私の部屋にカラオケが有る……」
「あなたの部屋を空けてるのは勿体なかったから置かしてもらったわ!」
「まぁ、良いけど……私は歌わないよ。
あっ、カトケンさん、そう言えば私の誕生日に歌ってくれたよね……
カトケンさん、歌ってみれば……」
アケビさんは、そっけない態度で僕に振って来た。
「えっ……」
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