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僕は会社から一週間の休みを貰って速井さんがいる芸能プロダクションへと向かった。
アケビさんは僕より早く、レーシング場で練習を開始していた。
職場から近いのでアケビさんは仕事が終われば毎日のように練習に行って、帰って来るのは夜中だ。
あっ、僕達はプチ同棲をアケビさんのアパートで始めていた。
「加藤君かい?良く来てくれた。
昨日、村野さんの走りを見に行ったが彼女は凄いよ。
必ず、プロレーサーになる素材だ!
7月25日の耐久レース、私達のチームにも優勝の2文字が見えてきた。
加藤君はイケメン5に参加してレース会場を盛り上げて貰いたい。
アマチュアのレースってほとんど人が入らないからね……
私は観客が居ないと嫌なんだ!
宜しく頼むよ。
レッスンは赤井君に頼んでるから!」
奥から内股歩きの中年太りの男の人が現れた。
「赤井です。宜しくネ!」
えっ、どう見てもオカマだ……
僕は案内されるまま、レコーディング室に入って行った。
レコーディング室には4人の若者が僕を待っていた。
どう見ても彼らは10代だ……
僕はもう25歳。
これから一週間、彼らと上手く付き合えるのだろうか……
絶対、僕は彼らに馴染めない。
パシリなんてされたら最悪だ……
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