第4ミッション結婚式挙げよう!

21/41
前へ
/338ページ
次へ
 アケビさんは一気にごぼう抜きし順位を上げていく。  もう、最初の走りじゃない……  もうアケビさんはレースの感覚を完全に掴んでいる。  12位から4位まで上がった。 「凄いぞ!あのライダー……  スター速井チームにあんな奴がいるなんて……」 「女じゃないか?」 「全然、コーナーを恐れてないぞ!」 「す、すみません!ぼ、僕に歌わせて下さい。」  再び、僕はマイクを持った。  人生初かも知れない。  自ら進んで皆んなの前で主導権を握るのは……  僕は必死に歌った。 「カトケンさん、ありがとう。  聞こえるよ。カトケンの歌……」 「凄いぞ!あのライダーとうとう2位に並んだぞ!」 「それに、向こうから聞こえる歌は何だ!  俺の心に突き刺さる!」 「何故か、あのライダーを凄く応援したくなるぞ!」 「名前は何だ?」 「村野明美だってよ!」 「明美ちゃ〜ん!頑張れ〜」 「明美!頑張れ!」  レース会場は最高のボルテージになった。  そしてアケビさんはトップに踊り出て、スター速井チームは1位でフィニッシュした。
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

79人が本棚に入れています
本棚に追加