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美肌化粧品株式会社
「加藤部長、凄いですよ。
加藤部長がCMで当社の化粧品を宣伝しただけで我が社の化粧品はバカ売れして、どこの店舗も品薄状態だ!」
「その件なんですけど、中田常務さん、僕、普通の営業マンに戻りたいんですが……」
「どう言う事だ?加藤部長……」
「もう、CMなんかに出たくないんです!」
「何を言ってるんだ!もう君は会社の顔なんだ!」
「僕は普通の生活がしたいんです。」
「加藤部長の専属運転手から聞いたぞ。
かなり、ボロボロのアパートに住んでいるそうじゃないか?
もし、良ければセキュリティの万全な高級マンションを用意させるから、頼むよ……加藤部長。」
「嫌です。致しません!」
「どっかで聞いた言葉だな……
会社の今後が掛かってる、頼みます加藤部長……」
「嫌です。致しません!」
いつの間に僕は会社を左右する人間になったんだろう……
よく考えたら、こんな生活に僕は望んで無かった。
少し歩けば、いつも誰かに見られてる。
アケビさんだって僕の妻って分かって職場の修理工にも嫌がらせの電話が頻繁にかかってくるそうだ。
僕は何より、アケビさんを守らないといけない……
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