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「おはよう御座います。」
「今日も運転ありがとうございます。
でも、僕は今日、会社に辞表を出します。
短い間でしたがありがとうございました。
あっ、この前、中田常務に伝えたでしょ。
僕がオンボロアパートに住んでるって。」
「す、すみません。あまりにも衝撃的で……」
「いえっ、良いんですよ。あんな家でも住めば都です。」
美肌化粧品株式会社社長室
「すみません!失礼します、加藤です。」
「入りたまえ!」
「はい。」
「どうした。」
「今日は辞表を持って参りました。
今月を最後に会社を辞めさせて下さい。
残りの日は年休消化でお願いします。」
「な、な、な、な、な、何だとぉ〜〜〜?!
た、頼む!やっと軌道に乗ってきたと言うのに、君が辞めたら、一気に売り上げがガタ落ちだ!
た、頼む!半年に1度でも構わない。
CMの撮影だけは撮らせてくれ!」
「嫌です。致しません!」
そして僕は仕事を辞めた。
そして、思ったほど退職金が有った。
十分、古民家くらいは買えるくらいの金額だった。
そして僕とアケビさんは古民家探しに出かけた。
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