付き合って下さい。

第5ミッション 子供を作ろう。

「もしもし、美肌化粧品、社長の合田ですが……スター速井さんですか？」

「あぁ、お世話になってます。
　お陰様で、クビ寸前のイケメン4も加藤部長に便乗して少しずつ人気が出てきましたよ。
　美肌化粧品株式会社もCM効果でバカ売れしてるそうじゃないですか？
　凄い人ですよ。加藤部長って！
　本当は加藤部長が入ったらイケメン5は世界に売り出して世界を代表するアイドルグループになる存在になるんですが……
　大金積んでも駄目ですか？」

「そ、そ、それが昨日、会社を辞めたんですよ。」

「えっ、か、会社を辞めた？
　ど、何処に行ったの？」

「それが誰にも今後の事を告げずに逃げるように立ち去ってしまったんです。」

　　ー自宅ー

「でも、カトケンさん、突然仕事を辞めて良かったの？」

「仕方ないよ……会社は僕を上手いように利用しただけたんだ……」

「……。」

「アケビさん、今日は僕に付き合わせてゴメンなさい。」

「カトケンさん、笑わせないで下さい。
　だって私達、結婚してるんだよ。
　私、ずっとあのアパートでも良いかなぁ〜て思っていたけど、カトケンさんいつの間にか時の人になっちゃうんだもの！
　でも、田舎生活ってワクワク！
　いっその事、ポツンと一軒家みたいな所を探そうよ！」

「あ、アケビさん……そんな所探したら、仕事場まで何時間掛かるか分からないよ……」

「そうだね……」

　この人、どこまで、何も無い生活に憧れているんだろう……