第5ミッション 子供を作ろう。

9/46
前へ
/338ページ
次へ
「は、はい。  それで、僕達は静かな環境で生活したくなり田舎暮らしを考えたんです。  だから、ここに移ってきたことを、誰にも知られたくないんです。  僕達がこの万福村に居る事を黙って貰えますか?」 「分かりました。役場皆んなで加藤様をお守りいたします。  そして、役場になんでも相談して下さい。  農機具とか何でもお貸ししますよ。」 「えっ、本当!カトケンさん、私、将来はフルーツ園をオープンしたいなぁ……」 「えっ……」 「是非是非、万福村を有名にして下さい。  応援します。」  アケビさんだったら、夢を現実にしてしまうからフルーツ園だって作ってしまうかも……  僕とアケビさんは何件かの古民家を紹介された。  そして最後の家は藁葺き屋根の立派な古民家だった。 「この家は、築200年で昨年までおばあちゃんが1人で生活してましたから、手入れは行き届いてます!  掘りごたつも有るんですよ。  それにお風呂は、薪で焚く五右衛門風呂。」 「えっ、五右衛門風呂ってなに?アケビさん」 「カトケンさん五右衛門って、かまどに薪を焚いてる釜だから、熱いから板を乗せて入るお風呂よ。  石川五右衛門さんが釜茹での刑にされたみたい!」 全く意味が分からない……  僕は、それにおばあちゃんの事が気になった。 「あの……今は、おばあちゃんは……」 「今年、掘りごたつの中で白骨死体で発見されました。  誰からも半年間気付いて貰えなくって……  しかし、ちゃんと役場の人が綺麗に後片付けしましたから大丈夫です。」 「カトケンさん、ここに決めましょ!」 「えっ……ア、ケ、ビさん、本当にここに決めるんですか?」
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

79人が本棚に入れています
本棚に追加