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ー役場ー
「どうなってるんだ!
加藤さんの人気で、この万福村は沢山の移住者が来ると思ったのに、逆にテレビやネットじゃオバケ村って呼ばれてるぞ!」
「総務課長がテレビやマスコミに言ったからですよ。」
「うるさいなぁ……さぁ、仕事だ!」
「ごめんください……」
「こちら環境整備課ですが……」
「私達、移住を考えているんですが……」
「は、は、は、はい!
こちらシルバーからの移住も進めています。
こちらにどうぞ!」
「は、はい。」
「宜しければアンケートに答えしていただけませんか?」
「はい。
名前は山野筑紫で妻の輪奈美で……
この欄も記入ですか?」
「はい。」
「職業は現在、警視長してます。」
「そんなエリートが何故.……」
「第2の人生を考えて田舎暮らしも悪く無いと思いまして、それに私の大親友が居るんですよ。
妻にとっては大切な娘と婿ですが……」
それは突然の事だった。
「健二君、久しぶりです。
あれっ、真っ黒に日焼けしてイケメンが更に凛々しくなった感じですね!」
「ツクシさん、にワラ、あっ輪奈美さんお久しぶりです。
こんな所に遥々、お、お越しくださいまして!」
「そんな堅苦しい事、言わないで健二さん!」
「僕達もここで生活しようと思って!」
「ツクシさん、仕事は?」
「昨日で辞めてきたよ。
僕も健二さんみたいに自由になりたかったんだ。」
「この人も言っても聞かない人でしょ……
あっ、明美は?」
「今日から仕事です。」
「今から家を探すつもりなんだ……」
「2人の邪魔にならないくらいに、ちょっと離れた場所を探そうって話してたの!
ねっ、筑紫さん。」
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