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「アケビさん、僕、パン屋をオープンしようと思うんだ。」
「カトケンさん、パン屋ってそんなに容易い事じゃ店なんか出来ないよ。
今はカトケンさん、ちゃんと美味しいパンを焼けるようになってるけど、それは私が教えた、ごくごく普通のパンだし……
カトケンさん、焦らなくって良いんだよ。
今のカトケンさんを見てたら気持ちに余裕が無いような気がする。
ここの万福村は心を癒してくれる村だと私は思ってる。
もっと時間を掛けてゆっくり自分を探そうよ。
カトケンさんだったら自分に合った事がきっと見つかるはず。
だって私の見つけた、たった1人の王子様なんだよ」
「ア、アケビさん、ありがとう……
アケビ、お風呂に入る?
僕、外で薪を入れて来るから!」
『良い新婚夫婦じゃの〜本当、応援したくなるわい!』
『微笑ましいの〜最近、ワシの家は喫茶店になって大繁盛で居場所がないわい!』
『屏助、お前、いつ来た?』
『ついさっき……』
『ワシもここに居たら、2人の迷惑になるかもな……』
『しかし、トメさんの家じゃろうが……』
『おい、屏助、ワシと一緒に隣の助六の家にお邪魔になるかい?』
『それにワシ、ちょっと恐ろしいんじゃ……
1つ奥の部屋だけ異常なほど、沢山のお人形があるんじゃ……
あのお兄ちゃん、夜中にお人形を抱っこして話しかけてるんじゃ、あぁ〜気持ち悪い……』
『それは気持ち悪いの〜
でも、本当かい?トメさん♡ワシらやっと2人になれるじゃの♡』
ー助六宅ー
「急にドタバタうるさくなったぞ!
屋根裏にネズミが入り込んだかいな?」
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