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「生地の作り方は基礎はちゃんと出来てるみたいだな!
でも、生地は生きてるんだ発酵時間や温度、季節によって微妙に変わる。
発酵してるパンを観察するんじゃ!そして話しかけてみろ。
生地はちゃんと答えてくれる。
全ては愛情なんだよ。
夫婦と一緒だな!
愛情がこもったパンは必ず答えてくれる。
少しでも手抜きをしたら、絶対に美味しいパンは出来ない。
ワシが全て生地の作り方を教えるから後はお前の気持ち1つじゃ!」
「は、はい!」
僕は全く意味が分からなかった……
発酵した生地に話したりして答えてくれるはずがないよ、絶対に……
その日も過酷な修行が終わった。
「カトケンさん!お疲れ様。
私、晩御飯作ったんだよ。食べて!」
「典子、お前の手作りかぁ…なんだこれは……⁇」
「おじいちゃん、スパゲティだよ。ミートスパ」
「スパゲチィ⁇」
「カトケンさん、早く食べて!」
「は、はい…… わっ……」
「典子、これは、ひき肉炒めてトマトをぶち込んだだけのソースじゃないか……」
「おじいちゃん、美味しいでしょ」
「典子、愛情が詰まってるから最高に美味しいぞ!
健二、これこそが!愛情が味を変えるんだ!分かったか!」
えっ、師匠、本当に美味しいと思ってるんですか?
僕は、本当にこの師匠に付いていって良いのだろうか?
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